マーマレード作り

15 February 2013

086.JPGイギリスでは1月の中旬から一ヶ月ほど、スーパーの果物売り場にセビリアから来たオレンジが並びます。種が多く、苦くてそのままでは食べられないのですが、そのオレンジでマーマレードを作ると、そのほろ苦い甘さがおいしいと人気があります。私も何年か前から作り始め、今では二月の年中行事となっています。イギリスの二月特有の、寒くて、空が灰色の雲で蓋われ、外出がおっくうになるような日がマーマレード作りには格好です。さあ、と朝食後、ラジオを音楽の局に合わせて始めます。大体6個か7個、900グラム分のオレンジを横半分に切って種とジュースを絞り、皮は小さく薄くきざみます。この切り方にも好みがあるらしく、お店に並んでいるのをみると、薄切りと厚切りと両方のタイプを売っているのです。種はモスリンの布に包んでとレシピにはありますが、日本のお茶をいれる子袋が丁度よく重宝しています。なべにジュース、皮、種、レモンの絞り汁一個分と分量の水を入れて皮が柔らかくなるまでゆでます。指で押してつぶれるくらいになったら、暖めておいた砂糖を加えて、今度は強火で煮つめていきます。種袋はなべからあげるとぬるぬるのペクチンが出てくるのでそれをしぼって加えます。イギリスのジャム類のレシピでは、フルーツと同じ量の砂糖を使っていますが、日本人には甘すぎるのと思うので、私はジャム類は60%、マーマレードは65%の砂糖の量にしています。出来上がってビンに積めるまで4時間くらいかかるでしょうか。砂糖を加えて煮つめる間はつききりです。以前、ちょっと間のつもりで台所を出て他のことにかかったら、なべの中身が吹きこぼれて後始末で大変な思いをした経験からです。出来上がりを判断するのもなかなかむずかしく、レシピに従って冷凍庫で冷やしておいた小皿にマーマレードを少したらして、指で押してみてしわができれば出来上がりですが、その通りにしても、作る毎に固さが少しづつ違ってしまいます。900グラムのオレンジからおおぶりのビンが5個できます。二月中にこれを三回繰り返すと一年分のマーマレードの出来上がりです。
088.JPGイギリスのトーストは薄いパンをカリッと焼いてバターかマーガリンとジャムをそれぞれこってり塗って食べるのが主流です。日本ではトーストといえば厚切りで少し甘みのあるものが好まれ、バターだけで十分おいしいですが、こちらのパンは甘みがまったくないのでジャム類が必要なのでしょう。

マーマレードは、紅茶同様イギリスの特産品として扱われていますが、考えてみるとお茶の葉もオレンジも外国からの輸入品です。日本と違って、歴史上海外交易がいかに盛んだったか、を感じます。最近の新聞に、国内のジャム類の消費が減少しているとありました。どうも近年の若い人はジャムよりも、アメリカから来たピーナツバターや、チョコレートスプレッドなどを好むらしいのです。

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先日、コッツウォルドにある小さなマナーハウスの庭を散歩する機会がありました。裕福な宝石商の夫妻が持ち主で、私のイタリア人の友人がナニー兼家政婦としてもう25年以上も住み込みで働いているのです。子供が結婚して家を出て行った後も、ほとんど家族同様の扱いで、奥さんと一緒にマナーハウスをし切っています。彼女がお休みの日にお茶に呼ばれ、中国人の友達と訪れた次第です。道路からゲイトを入り長いドライヴウエイを行くと大きな農家風のマナーハウスに着きます。建物を囲むように庭が広がっていて、広い芝生の他、プール、テニスコート、野菜畑もあります。敷地内を小川が流れていて、その脇に東屋があり、夏はそこでくつろぐのでしょうか、私達には別な世界の生活です。庭のスノードロップの見頃、という友達の言葉に持参したカメラで写真を撮りました。


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