チェルトナムの町について

18 August 2014


027.JPG8月も下旬、急に秋の気配が強くなり、日中の気温も20度を下回るようになり長袖が必要な季節になりました。それでも8月、チェルトナムのタウンセンターは普段に比べるとまだまだ賑やかです。商店街を歩いていると、英語の夏期講習で来たらしい日本の若者の姿を見かけるのもめずらしくありません。スーパーに入っても、おみやげ選びに熱心な高校生達の話す日本語が飛び交うのをよく目にします。チェルトナムに住んでいる日本人の数は多くないのですが、夏の間だけは学生や観光客などで日本人が増えるようです。
この人口は11万人。イギリスではカセドラル(聖堂と呼ぶ大きな教会)がある町はシティ、ない町をタウンと分けています。隣町のグロスターは歴史的には古く大きなカセドラルがあり、人口はチェルトナムよりも少ないですが、シティ、チェルトナムはタウンになります。今でこそ、コッツウォルズの玄関口として少しは日本人にも知られるようになりましたが、以前は日本のイギリスを紹介するガイドブックとはまったく無縁の町でした。 この町から日帰りで行ける三大観光地、バース、オックスフォード、ストラットフォードに比べると、チェルトナムは観光資源に乏しく、地味な存在ではありますが、18世紀に裕福層の保養地として発展、以来、イギリス人の間では、街並みのきれいな雰囲気のいい、好ましい町として知られています。
026.JPG小さな町にしては、図書館、博物館、劇場、映画館と一通りあり、お店も多く、適当ににぎやかで、公園や大通りの緑も豊かで住みやすい町ではあります。正式な町の名前は チェルトナム スパ です。スパは温泉の意味なので、来られるお客様からよく、温泉があるのですか、と期待をこめて聞かれますが、残念ながら鉱泉で、しかもほとんど枯れかけているそうですが、中心地から少し離れたパンプルームでその鉱泉を飲むことはできます。
イギリス人の間でチェルトナムの名前から思い浮かぶのは、競馬場、チェルトナムレディスカレッジ、そしてイギリス情報部の本部でしょうか。レディスカレッジは11歳から18歳までの有名な私立の女子校で、ハリー王子の元ガールフレンド、マドンナの娘などが通ったそうです。我が家の周辺にはこの学校の寄宿舎があちこちにあり、モスグリーンの制服を着た女の子達でにぎやかです。情報局の方は、何年か前に新しく建て替えられ、その形から通称ドーナツと呼ばれています。ありとあらゆる情報がここに集められるそうです。(残念ながらアクション抜きです)
それ以外にも、一年を通してこの町にはいろいろな催しものがあります。ミュージック、サイエンス、リテラチャー〔文学)フェスティヴァルなどが開かれ、年間を通して町を訪れる人の数も多いです。
私は30年近く前に英語のコースを取るためにしばらくチェルトナムに住んでいたのですが、その頃と比べて一番の違いは外国人が増えたことでしょうか。語学学校に通っていた頃は、海外からの学生以外で目にする外国人はごく少なく、ロンドン等の大都市から来ると、まさに「イギリス人の町」の印象でした。それは15年前に家を買って住み始めた頃と比べてもあまり変化は感じなかったのですが、その後の15年の間に、いろいろな国の人が入ってきました。インド系、黒人系、中近東系、そして、一見ではイギリス人と変わりない東ヨーロッパ系の人たち。 アジア系はレストランや持ち帰り専門の店を経営する香港からの中国人がほとんどだったのですが、今は、本土からの中国人、フィリッピン、タイ、マレーシア人と様々です。それほど移住者が増えた、ということでしょう。多分これはチェルトナムに限らず、イギリス中のどこの町でも同じ現象が起きていることと思いますが。特にEUに加盟してEU内の移動が自由になった東ヨーロッパ、その中でもポーランドの人が目にみえて増えてきました。現在、その数はチェルトナムだけで4千人とも5千人とも言われています。ポーランド人は働き者、というのが評判です。一時、うちに英語のレッスンを取りに来ていた女性はマスター(大学院)を持っていた高学歴の人でしたが、ご主人と一緒にチェルトナムの病院でお掃除の仕事をしていました。それでも収入は本国のポーランドよりも高く、ホリデイにも行けるから満足、と言っていました。(多分現在は努力の結果もっといい仕事についていると思いますが)
033.JPGもう一つの変わった点は、15年前にはあちこちにあった空き地がすべてなくなってしまったことです。近所の広い雑草地も何年か前にアパート群と、大きなスーパーに変わってしまいました。ちょっとしたスペースにはマンションが建ちます。15年前の9万人から11万人と人口が増えたせいでしょうが、それだけの人口を支える仕事があることになりますが、町が栄えているかとちょっと疑問です。 不景気が続き、商店街の昔からある店がいくつも閉まり、数が増えたのが、スタバ、コスタの類のカフェと携帯関係の店です。単に時代の流れなのでしょうか。街の景観を重要視するのはイギリスのどこに行っても感じますが、公園の花壇、春から夏にかけて大通りを飾るハンギングバスケットの花々などを眺めると、まあ、高い地方税も仕方がないか、と思ってしまいます。
コッツウォルド観光を目的にチェルトナムを訪れる日本人の方達も、時間の余裕があれば、観光抜きで、のんびりと街を歩き、大通りや公園のベンチに座って、イギリス人を眺めるのもおもしろいのではないでしょうか。
上の写真は大通りの噴水、その向こうにあるのは市庁舎です。右側はチェルトナム出身の作曲家、ホルストの像があるインペリアルガーデン、下は商店街です。


022.JPG016.JPG一ヶ月ほど前から我が家の庭に今年生まれたロビン(コマドリ)が住み始めました。ロビンはイギリス人にとってはガーデンでよく見かけるとても馴染みのある野鳥です。人を怖がらないことでも知られていて、我が庭でもブラックバード、シジュウカラと共におなじみの鳥です。以前にもロビンがすぐ近くまで来ることはあったのですが、今回の若鶏は特に人懐っこいのです。雑草取りをしていると近くに寄ってきて、虫を探します。雑草を抜くと土がかき回されるので虫を見つけやすいのでしょう。最初は用心してあまり近くには寄ってこなかったのですが、段々と慣れてくると、私達が庭を移動すると追いかけてくるようになりました。ジョンがえさの少ない冬用に買ってあった野鳥のえさをあげると喜んで食べます。ロビンはなわばりの特性があり、他のロビンが来ると追い出してしまいます。以前から時々我が家の庭にやってきていた大人のロビンがこの若いロビンを見つけると追い回していますが、それにもめげずに居続けて、今ではすっかりうちの庭の住民になってしまいました。体は全体は茶色ですが、胸の部分だけはくっきりと赤いのが特徴です。一ヶ月前までは羽もそろわず、体がぼけた茶色一色だったのが、栄養がいいせいかすっかり成長して胸もきれいな赤色になりました。私達が庭に出ると、さっと寄ってきます。普通、野鳥は閉ざされた空間であるグリーンハウス(小さな温室)の中になど絶対に入らないのですが、このロビンはまったく平気で、トマトの植木鉢の縁に立ち、じっと私の方をみるのです。えさが目的とはわかっているのですが、やり過ぎと思いながらも、かわいいしぐさに負けて、つい地面に小さくしたえさのかけらを置いてしまいます。 時々、手の先にかけらを置いてみます。困ったような様子をしますが、意を決したようにさっと飛んできてかけらをさらっていきます。それでもさすがに野鳥、触らせてはくれません。こんな食いしん坊の鳥を見たことがない、とジョンに言うと、野鳥に食いしん坊はいない、どんな鳥でも冬に備えてえさがあれば食べるだけ、というのですが。。。 我が家の庭には他にヘッジスパロー(生垣すずめとでも訳すのでしょうか)のツガイが以前から住んでいますが、こちらはシャイで、人にはまったく近寄らず、グリーンハウスに座って本を読んでいるときなどに、ひっそりと地面をついばんでいるのを見かけるだけです。近所にネコを飼っている人もいないし、ベリー類や潅木がたくさんある我が家の庭は野鳥にとっていい環境なのかもしれません。上の写真が羽がまだ揃わない若いロビン、下がそのロビンを追い回す大人のロビンです。 


















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