イギリス人の甘いもの好き/スコーンの話

18 November 2014


2014 Nov. Italy trip 002.JPG11月も後半に入りました。歩道の雨に濡れた落ち葉をすべらないように歩いて商店街に出ると、どこもクリスマス一色です。店にはクリスマスのプレゼント用の商品が並び、スーパーにはクリスマス用のお菓子があふれています。クリスマスプディング(*1)、ミンツパイ(*2)、そしてチョコレート。どれもクリスマス時にはかかせないスイーツです。普段は棚に並んでいるチョコレート類もこの時期には一番目立つ場所に山積みに置いてあります。チョコレートが大好きなイギリス人、ちょっとしたクリスマスプレゼントとしても大活躍です。ちなみにイギリス人に食事に招待された時は、チョコレートか花束かワイン(お酒を飲む人には)のどれかを持っていけば間違いありません。
普段でもイギリス人は甘い菓子類やスナックをよく食べるのですが、カロリーは高いし、健康にもよくないとはある程度自覚しているのでしょう。そうした罪悪感を感じずに食べたり飲んだりできるのがクリスマスです。お酒も、ごちそうもスイーツも、もう食べ放題。そして、そのスイーツ類のどれもが日本人にとっては尋常ではない甘さなのです。それをおいしい、というイギリス人の味覚はもう砂糖中毒に近いのでは、と私は思っています。子供の時からこの甘さに慣れて育つと、その味覚が一生続くのでしょう。甘いものがごちそうだった昔と違って、今は誰でもスーパーで安い菓子類がいくらでも買えます。それでも、クリスマスの時期は特別なようで、普段より食べる量がずっと増えます。自分で制限しない限り、当然、体重は増えます。最近、NHS(国民医療サービス)では肥満が原因の糖尿病等の病気が大きな問題になっています。医療費が無料のイギリスでは、老人ケアに加えて、成人病も大きな負担になってきています。
20代からずっとスリムだったジョンの体形がこの1,2年、ちょっと変わってきました。おなかの周りに肉がついてきて、いわゆる中年太りです。お酒もあまり飲まないし、野菜が多い健康的な食事を心がけているはずなのにです。最近は月に1-2度、お母さんの世話でマンチェスターに何日か行くのですが、どうもお母さんと一緒になって甘いものを食べているらしいのです。 肥満ではありませんが、やはり彼もイギリス人でした。気をつけて見ていると、食後にケーキがないときはチョコレート、お客さん用に常備してあるビスケット類もいつの間にかなくなっていることも間々あります。でも、いまさら甘いものを禁止するわけにもいきません。
2014 Nov. Italy trip 001.JPG先週、中国人の友達がチョコレートの缶を持ってやってきました。私達と一緒に農園をやっている長年の友達です。ジョンの甘いもの好きをわかっていてなのでしょうが、内心、ため息がでました。このチョコレート缶はとてもポピュラーなもので、大きな缶に紙に包んだチョコレートがぎっしりと詰まっています。今はクリスマスセールで、近くのスーパーで半額で売っているものです。日本円で千円もしません。私は食べないし、一応減量を目指しているジョンを前に缶を開けるわけにはいきません。他にあげるような人もいないので、思案の結果、Food Bank に持っていくことにしました。ジョンもわかっているのでしょう、あっさりと納得しました。 Food Bank は、貧しくて食料を買えない人たちのためのチャリティー活動で、ちょっと大きめな町だったらどこでもあるそうです。余分な食料を寄付し、集まったものを困っている人たちに無料で提供します。2,3年前にこの慈善活動が始まったときは、福祉が充実しているはずのイギリスで食べていけない人がいるのか、とびっくりしましたが、このチャリティーを利用する人はけっこういるとのことです。9月に1人暮らしをしていたジョンのお父さんが亡くなったのですが、住んでいたアパートを整理した際、台所の戸棚に缶詰類があふれるほどあるのを見つけました、それも一緒にFood Bank に持っていくことにしました。 クリスマスに、子供がいる家族で食べてもらえたら嬉しいのですが。
イギリスのクリスマスは日本のお正月と同じで、家族が揃ってご馳走を食べて祝う行事ですが、この時期のイギリス人のカロリーの摂取量は日本人の比ではない、と私は思っています。

*1クリスマスの日のデザートで、フルーツケーキを凝縮したようなネットリとしたケーキで、温めてからプランデー  ソース(ホワイトソースにプランデーを入れたもの)、生クリーム、カスタードクリームなどをかけて食べます。
 (上の写真がプディングのパッケージです。
 
*2 クリスマスの時期に食べるお菓子で、パイ生地にレーズン類、vegitable fat、砂糖、スパイスを入れて焼いたも   の。




スコーン


100.JPG最近は日本でも大分知られるようになってきましたが、スコーンはイギリスの代表的な食べ物の一つです。スイーツの一種ではありますが、ケーキとパンの中間に位置するでしょうか、午後のお茶と一緒によく食されます。アフタヌーンティはサンドイッチ、ケーキの他に、スコーンの三種類のセットです。お店でも売っていますが、やはりホームメードがおいしいです。 焼きたては外側がカリッと、中がふっくらとしていて、まだ温かさが残っている時に食べるのがベストです。横にナイフを入れて半分に割り、ジャムと普通のクロテッドクリーム(普通の生クリームよりも脂肪分が多いねっとりとしたクリーム)をたっぷりとのせて食べます。いろいろなジャムを試してみましたが、やっぱりイチゴのジャムが一番合うように思います。写真の中のジャムはイチゴとダムゾンというプラムの一種です。レシピーは様々ありますが、大体は小麦粉、ベーキングパウダー、バター、ミルク、卵、牛乳といったシンプルなもので、特別な材料は必要ないので、私も時々作ります。私が使っているレシピーはもっと単純で、卵さえ使いません。イギリスではベーキングパウダーがすでに入っている小麦粉を売っているので、もっと簡単にできます。 バターの量が少ないので、時間がたつと硬くなり味が落ちるので、新鮮なうちに食べたいものです。102.JPG日本でスコーンを作ると、出来上がりが、きめが細かすぎてスコーン独特のザックリとした独特の食感がないように感じられます。イギリスの小麦と比べると日本のものはもっと細かく精製されているのでしょう。スコーンとお茶のセットをクリームティと呼びます。イギリスに来られたら、一度、是非雰囲気のいいティルームでこのクリームティを味わって頂きたいと思います。







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