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ペインズウィック - コッツウォルズの女王

ペインズウィック - コッツウォルズの女王

2017年5月23日


ペインズウィックはチェルトナムから西に30分程車で行ったコッツウォルズの丘の上に位置する村で、少し離れた所から見ると教会の塔を中心に村全体が優美な形をしていて、「コッツウォルズの女王」と呼ばれているのですが、なぜか日本人にはあまり知られていません。人気のガイドブック「地球の歩き方」はかなりのページを割いてコッツウォルズを紹介しているのですが、ペインズウィックだけはすっぽりと抜けています。私は常々、イギリスに限らずこのガイドブックに載っていない場所、地方には日本人観光客はほとんどいない、と感じているので、そのせいもあるのかもしれません。2017 012.JPGこの村の魅力はなんといっても、村の中心にあるノルマン時代に建てられたセントメリー教会です。姿のいい塔を持つ教会の敷地には様々な形をしたイチイの木が99本植わっています。どういうわけか100本目を植えても育たないそうです。イチイ(Yew tree)はキリスト教がイギリスに伝わる以前の原始宗教、ペイガンの時代から聖なる土地に植える木として存在していて、キリスト教会もその跡地に建てられため今でも多くの教会でこの木を目にします。

ペインズウィックの村自体はあまり大きくなく、ホテルやティルームはありますがお店の数は限られています。村の近くの丘にゴルフ場があり、チッピングカムデンからバースまで続いている縦走路、Cotswolds Way もこの村を通っています。2017 018.JPG村から少し離れたところにある「ロココガーデン」。

かっては荒れ果ててほとんど原型を留めなかったというロココ風ガーデンは少しづつ修復されて一般に公開されていますが、今でも修復作業が続いています。二月にはこのガーデンの林は一面にスノウドロップの花で覆われて見事な白いカーペットを作ります。チェルトナムからのバスはペインズウィックの少し先の町、ストラウドまで通っている生活路線なので、本数は少ないですが日曜日でもバスがあります。日曜日には他のコッツウォルズの村行きのバスのほとんどが運休になるので、日曜日でもコッツウォルズ観光ができる貴重な村でもあります。
4月の半ばの日曜日、天気がよかったのでジョンのヘルニアの手術後のリハビリを兼ねてペンズウィックに軽い散歩のつもりで出かけました。手術後で車の運転はまだできなかったのでバス利用です。教会のある中心地から5分も歩くと、もう住宅街が終わり野原が広がります。初めてのコースだったのでジョンが地図でチェック。その間、私は気持ちよく草の上に寝そべって空を見上げていました。軽い散歩のはずが隣の村まで、となり、そこから引き返すのかと思ったら、別なコースを帰ろう、と言うジョンに引きずられて歩いたら、予定していた帰りのバスに乗り遅れて2時間も待つはめとなりました。近くのパブでビールを飲んでも30分しかたちません。パブの裏の丘に登りゴルフ場まで歩いて往復してきました。 軽い散歩? リハビリ? とんでもない。一日歩かされて疲れて帰ってきた日曜日でした。 2017 021.JPG
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ペインズウィックからさらにバスで10分程先にあるストラウド。この町の土曜日に開かれるマーケットはコッツウォルズでは一番規模が大きなものです。チェルトナムにもファーマーズマーケットが月に二回、グロスターにも毎金曜日にマーケットが出ますが、どちらも出店数が少なくストラウドの賑わいにはおよびません。以前は近在の農家が生産した生鮮食品、加工品が主だったのですが、最近はこの町の近郊にクラフト系の工房が増えたせいか、マーケットにも自作を売る人のお店も増えました。
5月の連休明けに日本から来た知り合いと一緒に何年ぶりかでストラウドのマーケットに行ってきました。地元産の豚肉で作ったハンバーガーや手作りケーキなど、立ち食いができる食べ物の屋台が増えていました。
2017 039.JPGある屋台でタラの子の燻製が置いてあり、同行の女性が試してみたいというので少量買って食べてみたのですが、まさに日本のタラコ、ご飯に合いそうな味です。 パン、チーズ、ソーセージ、アップルサイダーにクラフトビール、コッツウォルズハニー、ガーデン用の植物、花、プラス、小さな工芸品、などなど。どれも安くはないのですが、地元産の食品は新鮮で手作りの味、スーパーで売っているものとは別物です。イギリスは日本のように地方ごとの特産品はあまりないのですが、グロスターチーズ、グロスター産豚肉など、この地方ならではの名物もあるのだ、とマーケットで気づかせてくれます。写真の屋台にあるのは左がアスパラガス(チェルトナムの北にあるイビシャムはアスパラガスの産地として有名です)、右の台にあるのは赤いルバーブ、どちらも今が旬です。お茶を飲みながらお客さんの相手をするのもいかにもイギリス的です。
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あちこち覗いているうちにアッという間に半日が過ぎてしまいました。