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Enjoy a day out in the English Countryside

イギリスの空について

イギリスの空について

2012年3月20日

時々、お客様から、「イギリスの暮らしでいいところは何ですか」と質問されます。そんな時は、「いいところは緑が多いのと、空が広いところです」と答えます。山が多い日本と比べると、国土のほとんどが平地で、空の広さにはいつも圧倒されます。イギリスには一日に四季があると言われるほど天気が変わりやすく、晴れていたのにあっという間に曇ってきて、雨も降り出すのに、15分後にはまた晴れて、のパターンの日もめずらしくありません。雲の流れが速く、まるで台風が来たときのようにどんどんと流れていきます。上空の風が強いのでしょう。我が家の台所の流しの前は大きなガラス張りの窓で、西の空がよくみえます。この仕事を始めた頃は、慣れないお客様相手の仕事に疲れたとき、よく台所の前に立ってぼんやりと雲の動きを眺めていたのもです。そうしていると何となく気持ちが落ち着いてきたものです。
山歩きの好きな私達は、時々、コッツウォルドにハイキングに行きますが、青空の下、緑の野原を歩くのは日本の山歩きとはまた違う楽しさがあります。特にコッツウォルドは緩やかな丘陵地帯なので、丘の上がもう地平線です。野原と空を背景に、のびのびと枝を広げた大きな木がよく映えます。以前、日本のテレビで、故里の風景を描いたというイギリス人女性の絵を紹介していましたが、まさに何もない野原に大きな木が一本ポツンと立っているものでした。こんな風景がイギリス人にとってのカントリーサイドの原風景なのでしょうか。
イギリスの空もう一つ私が好きなのは、夕方の空の色です。日本と比べ緯度がずっと北に位置するせいで、夏は日が暮れるのが遅く、夜の10時頃、周辺が暗くなってからも西のそらに明るさが残り、その色が感動的にきれいなのです。まさにトワイライト色とでもいうのでしょうか。そこに星が一つ、二つ、時には三日月が加わると、空が幻想的にさえ見えてきます。ただ、冬はその広い空が低くどんよりとした灰色の雲に覆われて、暗いイギリスの冬を一層暗くするマイナスの面もあるのですが。。。
イギリスの空

コッツウォルドを訪れたら、村めぐりもクリームティも楽しいですが、短い時間でも、広い空が見えるところでゆったりとした時間を持つのも一つの楽しみではないでしょうか。そこが野原で、羊たちがのんびりと草をはんでいれば、完璧にイギリスの田舎の風景にひたれます。
イギリスの空
今回の写真は、二月末に神戸から英語の勉強に来た愛子さんが撮ったものです。大学で写真同好会に所属しているそうで、さすがに上手で、雰囲気がよく出ていると思います。「とにかく、写真を撮っていると楽しいです」と二週間の滞在中に撮った1700枚以上の写真の中から、空と雲をテーマに愛子さんと二人で選びました。