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Enjoy a day out in the English Countryside
庭のハーブ
シーズン中には時々、切れ目なく続くお客様を送り出すと、次の予約日まで2,3日間が空くことがありますが、そんな日は私にとって休養日となります。掃除、洗濯、アイロンがけなどの雑事はありますが、自分のペースで仕事ができるので気分的にはとても楽です。今日はその休養日。昨日からまるで夏を取り戻したかのような青空、気温も20度を少し越える程度でとてもさわやかです。さあ、何をしようか、と庭に出ると、黒いブラックベリーが目に入りました。そういえば3日ほど採っていなかったのです。庭の隅に植わっていますが、栽培用の品種で、野生のものと違って実も大きくとげがありません。でも実が大きい分ちょっと大味でしょうか。名前の通り真っ黒な実を摘み終わると、今度は花の終わったラベンダーに気がつきました。忙しいとどうしても庭の植物に目がいかなくなり、手入れがおろそかになりがちです。ラベンダーは、花の色がすっかりあせて切り取りの時期です。一株しかないのですが、年々大きくなり、花の量も少しづつ増えてきました。ジョンが、終わった花を集めてポプリでも作ったら、と言っていたので、ふと、挑戦してみようかな、という気になりました。切り取った枝をこそげて、色あせた細かな花を集めるといい香りがします。仕事がシーズンオフになるまでしまっておくことにしました。
あまり手入れの行き届いた庭ではないのですが、他にもハーブ類がたくさん植わっています。手のかからないローズマリー、チャイヴ、レモンバーム。ジョンが毎年、プランターに種から育てるオレガノ、タイム、ルッコラ、バジル、ミント、コリアンダー、そして私にとって大事な日本の青じそ。ニラは中国人の友達の庭にあったのを分けてもらいました。チャイニーズチャイヴと言うのだそうです。これも丈夫で、何もしなくても毎年元気に育ちます。私の一番のお気に入りはバジルです。トマトと相性がいいので、トマトサラダに、トマト入りスクランブルエッグにと重宝していますが、何といってもグリーンペスト(ジェノヴェーゼソース)が夏の楽しみです。たくさんのバジルの葉とExオリーヴオイル、ガーリック、クルミ(松の実は高いので)をフッドプロセッサーで混ぜるだけです。出来立てをスパゲティに絡ませて食べると、まさに「夏の味」です。今年は悪天候が続いたせいか育ちが悪く、ペストを作るほどできないのがとても残念です。何年か前に、ジョンとイタリアのトスカーナ地方を歩いたのですが、立ち寄った小さな村の食料品店で、大きな入れ物に入ったグリーンペストを量り売りで売っているのを見てびっくりしました。やはり本場は違う、と寒いイギリスに住んでいることをうらめしく思ったものでした。
他のハーブの使い道としては、レモンバームはクスクスサラダに入れたり、若い葉にお湯をさして蜂蜜をたらすと、さわやかなレモンバームティができます。ローズマリーは、肉やサーモンをローストする時の香り付け、ルッコラは庭のレタス類と一緒にグリーンサラダに、タイムやオレガノはパスタ料理に、と、新鮮なハーブ類は夏から秋にかけて料理をする際の大切な食材です。 日本に住んでいた頃はハーブ類とはあまり縁がなかったのですが、和食の食材のないイギリスでは、単調になりがちな料理の良き助っ人として活躍してくれています。
上の写真はブラックベリーと切り取ったラベンダー、下はタイムとローズマリーの鉢です。