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Enjoy a day out in the English Countryside
秋のチェルトナム
10月も後半に入りイギリスはもう晩秋の様相です。気温は日中でも13-15度、朝晩は暖房が欠かせなくなりました。夏の平均気温が23-25度位、日が暮れるのも9時過ぎと、日本の夏と比べると随分過ごしやすいですが、その分、秋の訪れは冬が近づいてきていることを意味します。今月末に冬時間に替わると日暮れも1時間早まります。 6月から街の通り沿いを飾っていたハンギング バスケットも9月末に取り外され、今は枯葉が舞っています。積もった落ち葉の歩道を歩くとカサコソと音をたてて楽しいのですが、残念ながら10月頃から雨も多くなり、すべりやすい濡れ落ち葉の道を歩くことの方が多いのです。イギリスにはイチョウも楓もないので、木々が紅葉しても黄色と茶色が混ざったような色で、それなりにきれいで雰囲気はありますが、日本の鮮やかな紅葉とは比べものにはなりません。我が家の周辺も大きな街路樹が多く、風が強い日の翌日は、吹き溜まりになっている家の前に落ち葉がうず高く溜まり、それを片付けるのがこの時期の定期的な仕事となります。庭の隅に囲いを作り、そこに落ち葉をどんどん重ねていくのですが、あふれるほどの葉っぱの山も、一年後にはかさが減り肥料に生まれ変わってくれます。
チェルトナムでは一年を通して様々なフェスティバルが催されますが、10月初旬には10日間リテラチャーフェスティバル(文学際)があり、今年出版された本の著者が来て自著について語ります。今年はハリーポッターの作者、J.K.ローリングもやってきました。ハリーポッターの後の最初の本のということでかなり話題になり、会場には随分と人が集まったそうです。作家の他にも、最近本を出した俳優、ジャーナリストなどの著名人がこのフェスティバルを賑やかにしています。
10月はまた、チェルトナム競馬が始まる月でもあります。障害レース専用の競馬場なので、夏はコースの土が乾き、ジャンプする馬の足を痛めるとかで、10月から翌年の4月くらいまでがシーズンです。特に3月中旬に行われる競馬は、メインのゴールドカップの結果が翌日の新聞の一面に載るほど人気があります。4日間続くこの競馬がある週は、市内、近郊の宿がすべて満室になるそうです。普段は日本からのお客様がほとんどの我がステインクロスも、この週は競馬目当てでアイルランドからやって来る男性のグループの貸切になります。
この時期、街の商店、スーパーにはハロウィーン用の商品が目立ちます。元々はアメリカの行事ですが、年々イギリスでも盛んになり、当日の夕方には子供たちが(時々はお母さんに連れられて)ハロウィーンの扮装をして近所を回ります。私達もこの日に備えてお菓子を用意しますが、夕方、ベルが鳴り玄関の戸を開けると、小さな魔女に扮装した子が Trick or Treat と言いながら現れると思わず微笑んでしまいます。
10月の店頭には、ハロウィーンの飾りと共にクリスマス商品も並び始めます。クリスマスまでまだ二ヵ月半もあるのに?と思うのですが。そして、ハロウィーンが終わると11月。街はまさにクリスマス一色になります。イギリス人は、暗くて寒い憂つうな冬に向かうこの時期はクリスマスの準備で気持ちをまぎらわせるのかも、と外国人の私は勘ぐってしまうのです。
上の写真は、チェルトナム市内の中心地です。
下の方は、先週、チェルトナムの郊外に行った時に撮ったもので、朝霧がとてもきれいでした。