BLOG
Enjoy a day out in the English Countryside
イギリス人の食事情
イギリス(正確にはイングランドだけですが)11月5日から二回目のロックダウンに入っています。 今回は、12月2日までの4週間ですが、解除後は規制3段階が再度導入予定です。 イングランドのごく一部のみ、コーンウォール、ワイト島がTier1ですが、他のすべての地域はTier2と3と厳しい状況です。 10月まで比較的感染が少なかったチェルトナム周辺もTier2に引き上げとなりました。 店、飲食店(細かい規制はありますが)は再開になりますが、特別な場合を除き家同士訪問し合うのは禁止のままです。 とは言っても私たちの日常生活に変化はありません。一回目に比べみんな規制慣れしてきたようで、街中を歩いていてもあまり緊張感は感じられません。 ロックダウン中もですが、店内以外でマスクをしている人の数も少ないままです。
春の二ヶ月間のロックダウン中は外出規制が厳しかったせいもあり、家の中で有り余る時間を親子で料理したり、菓子類を作る人が増えたそうですが、料理よりもベーキングの方が多かったのいうのは甘いもの好きのイギリス人らしいです。 日本のテレビや本で紹介される料理は、主婦向けの毎日のお惣菜をいかに簡単においしく作る料理方法が中心のような印象があります。 イギリスはというと、料理番組もけっこうあるのですが、プロのシェフの料理は、内容にもよりますが、家庭でも簡単にできます、とは言いますが、普段出来合いに近いものを食べている人たちにとってはやはりハードルが高いようです。 料理番組を持つシェフが、テレビで紹介される料理はこの国では見て楽しむショーになっていて、実際に作る人は少ない、と嘆いている記事を雑誌で読んだことがあります。
私の観察(?)では、イギリス人の平日の夕食は、焼いた肉類に冷凍のチップスをオーブンで温めたもの、茹でた野菜の付け合せがあればりっぱな夕食です。 他に人気があるのは、冷蔵、冷凍ピザとミートソーススパゲティ(こちらでは通称 スパッグボールと呼ぶ スパゲティボロネーズ)。 タマネギと挽肉を炒めて、そこに市販の瓶詰めのトマトソースを加えれば出来上がりです。カレーもシチュウも似たようなもので、味の違うさまざまな瓶入りのカレー、シチュウのソースがスーパーの棚に並んでいます。両方ともチキンを使うことが多く、適当に切って炒めた肉と野菜に瓶入りのソースを加えるだけの簡単料理です。 チキンソースは買ったことはないのですが、カレーのほうはおいしいものもあります。 副菜のサラダなんてありません。テレビで映す庶民の家庭の食事風景もワンプレート料理がほとんどです。 もちろん毎日きちんと料理をする人もいるでしょうが、ごく少数派と私は思っています。 挽肉はポークも売っていますが牛がほとんどで、日本のような合挽きは見たことがありません。おもしろいことに脂身の量でパックが分かれています。 脂身が20%、10%、5%とあり、値段も違ってきます。一番高い5%の500g入りパックが日本円で400円位なので、日本より安いのではと思われます。 ソーセージもイギリス人の好物ですが、ほとんどが生なのでしっかりと焼く必要があります。 これもピンキリで、安いものは混ぜ物も脂も多くおいしくないのですが、それなりの値段のソーセージはおいしく、うちでも時々食卓にのぼります。 人気のチキンにしても、もも肉よりも脂身のない胸肉が好まれ値段もこちらのほうが高いのです。 健康志向のせいでしょうか。 一昔前までは、お店で売っているフィッシュ&チップスはラードを溶かした牛や豚の脂で揚げていたそうなのですが。 ジョンもそういう意味では典型的なイギリス人で、料理に入っている肉の脂は丹念に取り除くので、今は料理をする前に除いています。 生ハムの白いところを除いて赤みだけ食べるのを見ているとため息が出てきます。
大分前になりますが、ロンドンで発行されている日系の雑誌に、「イギリス人の好物ベスト5」が載っていました。一位はおなじみのフィッシュ&チップス。本当に好きなんですねえ。 とはいえ、普段家で食べるのは冷凍や冷蔵の魚のフライを温めたものです。 二位にビーフ、ラム、チキンなどのローストもの。 日曜日に家族揃って食べるイギリスの代表的料理です。 三位はコテッジパイ。 牛の挽肉と野菜を煮たものにマッシュポテトを被せてオーブンで焼いたもので家庭料理の定番です。 四位にはバンガーズ&マッシュ。 これは通称で、焼いたソーセージとマッシュポテトにグレービーソースをかけたもので、パブのメニューでもよく見かけます。 これらは好物ではあるけれど、時間の余裕がある時に作って食べる料理なのでしょう。 ちなみに五位には「コロネーションチキン」と言うサラダが入っています。エリザベス女王戴冠を記念してできたらしいですが、あまり見かけることはありません。
ロックダウンや規制が続き外食ができない生活の中で、料理に時間をかける人が増えてきていることは確かなようです。ジョンソン首相の自身の経験からか、コロナにかかっても重症化しないように健康的な食生活で肥満をなくしましょう、という掛け声の効果があったのかどうかは不明です。。。 私が個人的に思うのは、イギリス人の食生活を根本的に改善するには、学校で料理実習を含めての食教育が必要ではないかと。 ファーストフッドが出回り、料理をしたことがない、という若い人たちがあまりにも多いのす。