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Enjoy a day out in the English Countryside
3年ぶりの営業再開
今年の夏は3年ぶりに宿泊の予約が入りました。 7月末にチェルトナムに駐在していた家族が帰国に際し、出発日までの二泊を頼まれ、8月の初旬に4人のグループの予約も入っていました。コロナ前には毎年来ていたグループが3年ぶりで予約を入れてくれたのです。グループといっても、荒川区のお年寄りのためのシルバー大学で学長をしているリーダーのKさんが毎回違うメンバー3人を連れて来てくれるのですが。8月後半にはやぱりリピーターのご夫婦が、9月の半ばには随分と久しぶりにホームページから若い(多分)女性二人から予約の申し込みがありました。今年は多分この4組だけだと思いますが、私としては再びお客さんを迎えることに感慨深いものがあります。
7月に入り、お客の受け入れ準備を始めるにあたり家の中を見渡すとどこもくすんで見えます。二年以上も二人だけの怠惰な生活が続いていたので、家の中は化粧直しが必要でした。各部屋のドアやその周辺のペンキの塗り直し、ダイニングエリアのカーペットのクリーニング、二階のお客用の寝室の一室は新しいものに替える、などなどやるべき作業がたくさんありましたが、すべてDIYです。寝室のカーペットもジョンが張り替えました。3週間頑張って働いた結果、家の中は見違えるように明るくなり、お客さんの受け入れ準備完了です。
駐在員一家のお世話で忘れていた接客の感覚を取り戻し、4人のグループが到着した時は元のように動けるとの自信らしきものがあったのですが、二年間のブランクは大きく、私の体力も着実に低下しているのがわかってきました。コッツウォルド観光などで3泊した後、4人はジョンと共に車でスコットランドに出かけたのですが、一人になるとこれまでにないほどの疲労感を感じたのです。毎日の夕食作りの他、日によっては5時に起きて、パックランチ作り、チェルトナムにいるときは昼食も用意してと、以前と同じような作業なのに、体が慣れていなかったのと緊張感もあったのでしょう。グループが戻ってくるまでの4日間はひたすら静養にあてました。
出発の翌日からイギリス南部を中心に熱波が始まり、連日33-34度の暑さが続きました。旅行の最終日、冷房がない車での長いドライブです。メンバーの全員が高齢だったので、暑さで体調を崩してはいないかと、とても心配したのですが、予想に反して、元気に、楽しかったです、と帰って来た時はほっとしたものです。続く猛暑下、冷房がない家の中も、東京の湿気の多い暑さに比べれば、朝晩は涼しいから大丈夫です、とみなさん口を揃えて言います。午後の暑いさ中、街の商店街に行った時も、同行した私の方がバテ気味でした。近年の日本の夏の暑さはどれほどのものなのでしょうか。
ブランクが長かったのは料理の方も同じで、事前に夕食の献立を考えていた時、情けないことにお客に出す料理のレパートリーがまったく増えていないことに気がつきました。特に後半はただでさえ西陽が射す暑いキッチン、大きなオーブンを使わずに何が作れるか思案しました。結局、旅行から戻ってきた日は、チリコンカン、翌日はジョンがミートボールのトマト煮込みとポレンタを作り、最後の夜はラタトゥイユ、クスクスサラダ、クラッカーにチーズと生ハム、庭で採れたレタスのグリーンサラダとなりました。幸い、どの料理もおいしい、とのお客さんの言葉にほっとしたものです。
帰国日の午後、ヒースローに向かうお客さんを見送った時は、何事もなく楽しく過ごしてもらえた安堵感で一杯になりました。私も疲れましたが、ジョンの方はヒースローの送迎、コッツウォルド観光、5日間のスコットランド旅行のドライブとよく頑張ったと思います。暑さが去り、平常のイギリスの夏に戻った今、疲れも癒えて振り返ってみると、お客さんの滞在中、すべてにおいて気を使いすぎていたのかもしれません。久しぶりの接客から来る緊張感、私の体力低下、予想外の熱波到来などのせいで疲労感が倍になったのかな、と思えてきます。来年にはもう少し楽な気持ちでお客さんを迎えたいものです。