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Enjoy a day out in the English Countryside

カナル(運河)とナローボート

カナル(運河)とナローボート

2014年6月30日

5月末に千葉からYさんがお友達を2人連れてステインクロスに見えました。過去に何回もお1人でいらしていたのですが、今回はお友達と一緒、案内をする側だそうです。何年か前に滞在された時、同宿だったご夫婦とウエールズにナローボートに乗りに行き、楽しかったので今回は是非友達と一緒に、との希望があり、比較的近い、前回に行ったウエールズのナローボートを予約しました。ジョンがポートを操ることになるので、アシスタント兼ねて(?)私も同行した次第です。
日本で運河というと小樽ぐらいしか思い浮かびませんが、イギリスでは18世紀に産業革命が始まってから輸送の手段としての運河が発達し、中部のマンチェスター、バーミンガムを中心に水路が網の目のように広がります。その後、鉄道の発達と共に運河輸送は急速に衰退するのですが、20世紀後半にレジャーとしてのナローボートが見直されて、荒廃していた運河も整備され、現在はそのネットワークは3千キロにも及ぶそうです。狭い運河に合わせてボートも幅が約2.1メートルしかありません。まさにナローボートです。
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私達が向かった運河は南ウエールズの静かな自然の中を通り、周辺は畑や牧草地ばかりで人家はほとんど見当たりません。借りたのは日帰り用、一番小さなタイプで長さが5メートルほどです。 ボート場の人から簡単な操作の説明を受けて出発です。ジョンが舵を取ります。一見、簡単そうなので女性たちが1人づつ交代で舵を握ってみたのですが、しばらくするとどうしてもボートがぶれて右に左にと寄ってしまいます。意外と力がいるです。結局、運転はずっとジョンにおまかせでした。出発時に渡された地図らしきものには、水路にかかる橋に番号が付いていておおよその距離がわかるようになっていますが、数えてみたら20以上の橋をくぐることになります。時速は約4.8キロ、橋の下は水路が狭くなっているので、両端にぶつからないように速度を落とすのでもっとゆっくりになります。運河の脇には平行してフットパスが付いていて歩けるようになっています。途中、散歩と、Yさん達がボートを降りてしばらくフットパスを歩いていましたが、速度はボートと同じくらいでした。 平日のせいか行き交うボートも少なく、林の中をぬっていく時間はひたすら静かです。時々、木々の合間から遠くの谷間の村が見えたりします。 人口的に作られた運河は川とは違い、高所を通ることもあります、北ウエールズには、深い谷にかかる橋を通る有名な運河もあります。

Canal trip 153.JPG私達はピクニックテーブルのあるところでボートを止めて持参のお弁当を食べましたが、運河沿いにはいくつものパブがあり、そこで食事をしたりビールを飲んだりするのもボート旅の楽しみの一つです。パブのあるところは、また係留所でもあり、様々なタイプのボートが留めてあります。そうした係留所は広くとってあるので、方向転換の場所でもあります。長いタイプのボートには生活ができるように、寝室、居間、台所が付いていて20メートル位はありそうでした。一週間単位でボートを借りる人も多いようです。私達のボートもそんな係留場でUターンして戻ってきました。

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去年の10月末にフランス南部に休暇で行った際、滞在した小さな町にも運河がありました。トウールーズから地中海に続いている Canal Du Midi という大きな運河で、世界遺産にもなっているそうです。運河の幅も広く、通るボートは高さも幅もある大きなもので、ボートの上には自転車が置いてあったり、犬もいたりです。家族で優雅にボート旅を楽しむのでしょう。やはり運河の脇にはフットパスがあり、私達はサイクリングとウォーキングでフランスの運河見物です。 季節の違いもありますが、イギリスの深い緑一色とは異なり、全体に柔らかな色合いは印象派の絵画の世界のようです。滞在したベジエからしばらく電車に乗って行った別な町には、小規模の運河が内陸から海岸まで続いていて、町から半分ほどの行程で、水路の片方は海、反対側がラグーン(座礁)というめずらしい風景に変わります。この町でもサイクリングの予定でしたが、貸し自転車は事前に予約が必要とのこと、町から20キロ、延々と海岸まで運河沿いのフットパスを歩くはめになりました。でも、そのおかげで周囲の景色は十二分に楽しむことができたように思います。両側を水にはさまれた運河の脇の細い道を歩くのはちょっと不思議でしたが、南フランスの青空の下、フランス人のサイクリストに追い越されながらのウォーキングはいい思い出です。
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一週間、二週間と運河ですごすボート旅は日本にはない休暇の過ごし方ですが、一日舵を取りながら、似たような風景の中で退屈にならないか、と思うのはせっかちな日本人の考えなのでしょう。日本人に比べると普段から時間的にゆとりがある生活をしてヨーロッパの人は、休暇の過ごし方もゆったりと過ごすのはあたりまえなのでしょうか。イギリス人の典型的な休暇の過ごし方は、太陽がサンサンと照る南ヨーロッパの海岸で(海で囲まれてはいてもイギリスの夏は天気がいいという保障がないのです)ひたすらのんびりすることです。休暇は一週間が精一杯です、とコッツウォルドを駆け足で観光していく仕事を持ったお客様をつい思い浮かべてしまいます。ちなみに今回のナローボートの旅、私達も5時間で十分満足だったのです。。。