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Enjoy a day out in the English Countryside

イギリスのイースター(復活祭)

イギリスのイースター(復活祭)

2018年3月27日

今月25日に冬時間から夏時間に変わり、さあ、春の到来、と言いたいところですが、まだまだ寒い日が続き、冬のコートが手放せません。晴れてくれれば、陽ざしも暖かく春らしくはなるのですが、どんよりとした、曇り、時々雨、の日が多く、さわやかに晴れ上がる日が少ないのです。 まあ、文句は言っても This is England です。 好天気が続くのを期待するほうが無理かもしれません。

今年のイースターは4月1日。イギリスではクリスマスに次ぐ大きな行事ですが、日本ではイースター、復活祭、の言葉は知っていても、クリスチャンでない限り、どんな行事か知っている人は少ないのではないでしょうか。イースターの日は毎年変わります。基本的には3月22日から4月25日の間の日曜日になります。春分の後の最初の満月の次の日曜日がその年のイースターになるそうです。金曜日がキリストが十字架にかけられた日で、三日後の日曜日にキリストが復活して天国へ昇天したことを祝福する行事です。キリストが十字架にかけられた日がわかっているのに、どうして毎年違う日を祝うのか、とクリスチャンではない私には不思議なのですが。 イギリスではこの金曜日を Good Friday、 日曜日を Easter Sunday と呼び、月曜日も祭日で4連休になります。公立の学校はこの週末から二週間の春休み、私立の学校の多くは三週間と長く、うちの近くにある私立のレデイズカレッジも早々と三週間の休みに入りました。
イースターはクリスマスのように通りを飾ることもないし、プレゼント交換もなく、イースターカードを出す人もそれほど多くないので、クリスマス時期の街の喧騒から比べるとずっと静かです。スーパーで、並んでいるお菓子を見て、ああ、イースターが近いと気づくくらいです。

イースターでかかせないのが、再生を意味する卵。他の国では卵に色を塗って飾るところもありますが、この国ではチョコレートの卵が主流です。子供をたくさん生むウサギも豊穣のシンボルとされて、ウサギの形をしたチョコレートも子供たちには人気です。スーパーにはこの時期、菓子メーカーがそれぞれ趣向を凝らしたチョコレートがずらりと並び、いかにもチョコホリックが多いイギリスらしいです。エッグハンティング、野外で前もって大人が隠しておく卵を子供たちが見つける遊びもイースターの伝統的なものです。

他にかかせないのが、ホットクロスバンでしょうか。レーズンとちょっとスパイスが入った丸いパンで、表面には十字が入っています。今では一年中売られていますが、伝統的にはイースターの時期に食べるパンです。

クリスチャンでない外国人の私にはイースターといっても特に感慨はないのですが、イギリス人のジョンにとってはやはりそれなりの思い入れがあるようで、「スーパーに行くなら、ホットクロスバンと水仙を買ってきて」と言われました。黄色い水仙は1ダースの束で1ポンド。値段の安さに、生産者に申し訳ない、と思ってしまいます。

硬い蕾の水仙が徐々に開き、部屋を明るくしていく様子は「春近し」を感じさせて気持ちが浮き立ってきます。

イースターサンデイの日曜日はクリスマス同様、家族が揃って食事をする習慣です。何を食べるか、と想像するまでもなく、例によって肉のローストになる家庭が多いようです。 ただ、イースターにはラムを食べるのが伝統とのこと、普段はローストチキンの我が家ですが、年に一度位はラムにしようか、と話しています。先日、テレビで、農家の人がラムを食べる人が減っていると嘆いていたのを観たせいもあります。

ちなみに、ロースト用の肉の値段は、上からビーフ、ラム、ポーク、チキンの順番です。若い世代でベジタリアンが増え、赤い肉(チキン以外の3種類)を食べない、焼くのに時間のかかるローストをしない、または料理方法を知らない人が増えたことも消費が減っている理由の一つではないかと思います。

「カーヴァリー」という呼び名のパブレストランが最近人気です。平日にも手頃な値段でローストディナーを提供するので、平日(お年寄りが多いです)、休日を問わず賑わっています。面倒くさいことを避けて外食に走る風潮が、この国の伝統的な「数少ない家庭料理」を、家庭で家族がそろってテーブルを囲み、お父さんが切り分ける(カーヴィングと言います)ロースト肉を一緒に食べる、昔ながらの習慣を段々となくしてしまうのでは、と老婆心ながら思ってしまいます。

なにはともあれ、イースターはキリスト教の大事な行事ではありますが、「春の訪れを祝う」意味の方がぴったりするような気がします。アメリカ各地で行われるイースターパレードのような華やかなお祭り的行事はありませんが、春を待ち望む気持ちは、天候が悪い分、イギリスに暮らす人の方が強いではないか、と思われます。

今週咲き始めた庭の椿です。今年は気温が低かったせいで3週間ほど遅れて花が開きました。