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Enjoy a day out in the English Countryside
駐在員家族との交流
春分が過ぎて、ようやく春らしくなったこの頃です。先週まで続いていた不安定な天気がうそのような穏やかな青空です。明るい陽ざしに誘われるように、さあ、溜まっていた庭仕事を、と外に出ると、植木鉢がたくさん並んでいるのが目に入ります。ジョンの生徒さん達からの頂き物です。ここ2年ほど、チェルトナムに住む駐在員の奥さん達のお宅に英語のレッスンに出かけていたのですが、12月に会社から突然駐在員全員に帰国通知が出たそうです。その会社、日立がイギリス側と共同で原子力発電所設立の受注を受けて、何年か前から駐在員を送ってきていたのですが、設立交渉がうまく行かず、プロジェクトが凍結となった結果です。準備に伴い人数も増えて、去年までに駐在員は20人以上にもなっていたそうです。長い人は4年半、短い人は来たばかりの人もいたそうです。
長くいる駐在員の奥さんの1人がレッスンを受け始めると、奥さん同士のネットワークがあるのでしょうか、次々と増えて、娘さんと2人でレッスンを受ける人を入れると7人になっていました。ジョンが自転車で、週一回、1時間半、それぞれのお宅に出かけての出張レッスンでした。昼間、家族は職場や学校に出かけて、主婦1人が残る家に行くのですが、最初の人から、ジョンが「無害」と伝わっていたらしく、特に問題はないようでした。
レッスンの依頼は日本語のメールで来るので、私が仲立ちで時間、曜日など必要事項をメールや電話でやりとりはしていましたが、直接に生徒さんと顔を合わせることはありませんでした。それが、去年の春にジョンを通して生徒さんの中の2人がうちに来てスコーン作りしたのがきっかけで少し繋がりができました。
二回目は去年の秋にジョンが二ヶ月近くアメリカに行っていたので、その間はレッスンも休みで、顔なじみになった奥さん(Tさん)とジョンの他の生徒さん達も一緒に持ち寄りランチをしましょう、という話になりました。Tさん宅に1-2品を持ち寄って40代から60代の女性(1人は子供の体調が悪く欠席)4人とのランチは、チェルトナムでの生活ぶりなどの話がはずみ、私には新鮮に感じたものです。テーブルにずらりと並ぶお料理は日本の食卓で見るような和風のものがほとんど(Tさんは天ぷら、おそばまで用意してくれていました)で、私の用意した大きな入れ物のグラタン、野菜のローストはちょっと異質で、日本人家庭とイギリス人のジョンと暮らす私との生活の違いを感じさせました。軽いカルチャーショックだった、とはちょっとおおげさでしょうか。
日立といっても系列会社から来ている人もいて、それぞれ駐在の条件は違うそうですが、駐在経験のある人が書いている本にでているような、会社の上下関係が奥さん達にもおよんで苦労する、ということはまったくないそうです。
二週間前に、若い奥さんが自転車に赤ちゃんを乗せてうちに挨拶に来てくれたのですが、「皆さんとても親切で、チェルトナムの町も大好きになりました、まだ住み始めて一年と三ヶ月しかたっていないし、やっと生活にも慣れ、これから英語の勉強も頑張ろうと思っていた矢先で、正直、日本には帰りたくないです」と残念そうに話していたのが印象的でした。
実は私には過去に駐在員奥さんに関して苦い経験があります。27年前、ジョンと結婚してマンチェスターに住み始め、日系企業に入社、駐在員のアシスタントと働き始めました。駐在員の人達はみんな良い人たちで、がっかりするほど低い給料以外は特に不満はありませんでした。そんな生活に慣れた頃、12月に会社主催で週末に駐在員家族が集まって餅つき大会があるからどうですか、と誘われたので、参加してみました。
当日の朝、一緒に働く駐在員の人から奥さん達を紹介され、挨拶をしたのですが、その後は奥さん方は急によそよそしくなり、まったく口を聞いてくれませんでした。唯1人、副社長の奥さんだけはさっぱりした人で気を使ってくれたのですが、他の女性達からは完全に無視された状態だったのです。現地雇いの人とは一線をおきたかったのでしょうか。理由はわかりませんが、参加を後悔しながら帰宅した記憶があります。
その後何年かして、チェルトナムに住むようになり、ジョンがポツポツと駐在員の奥さんに英語を教え始めてから知り合った人達は普通に接してくれ、そんな感じが悪い人ばかりではないのだ、と思えうようになりました。それでも、過去の経験からか、私の方から積極的に奥さん方に近づくことはしなかったのですが、今回、生徒さん達の帰国に際して、「もっと早く知り合いになれたらよかったですね。」お互いに言い合って別れことが、実感として心に残っています。
イギリスのEU離脱が大詰めを迎えていて、何か書こうか、と思ったのですが、国会が混乱をきわめていて、何が起こっているのかさっぱり伝わってきません。テレビのニュースはほとんどが離脱問題で占められているのにもかかわらずです。 総選挙? メイ首相の辞任? 再度の国民投票? どれも可能性あり、と伝わってはくるのですが。。。
上はチェルトナムの町の桜です。
下の二枚の写真は、天気がよくなって、運動がてらに出かけた近郊のクリーヴヒルとその近くのフットパスからの眺めです。