BLOG

Enjoy a day out in the English Countryside

ジョンの従妹

ジョンの従妹

2019年11月30日

10月中旬の週末にマンチェスターに近いチェシャーに住むジョンの従妹がご主人とペットのグレイハウンドを連れて遊びに来ました。 初めてのことです。 従妹の父親がジョンの母親のお兄さんに当たります。過去に何回かジョンと2人で伯父さんの家に行ったことはありますが、従妹達には随分前のクリスマスに一回会ったきりです。4年前にジョンの母親が亡くなり、そのお葬式に家族で来てくれ、その3年後の去年の秋に従妹のお母さんが亡くなって、お葬式に出た時に再会しました。(伯父さんは2年前、私達がアメリカ旅行中に心臓マヒで他界しています)お葬式の後に近くのホテルで出席者に軽食が振舞われ、その席で従妹達としばらく話をしたのがキッカケです。3人姉妹で、チェルトナムに来てくれたのは54歳になる長女のルースです。 心身障害者専門の病院で看護士として働いているそうです。次女は弁護士、三女は小さい時から馬が大好きで、今は馬舎を経営しています。人の馬を預かり、自分の馬も何頭かいて、外部から乗馬に来る人に貸し出しています。三人共とてもきさくで、普段イギリス人の女性と個人的に接することがない私には三人とのお喋りは新鮮に感じました。

今年の夏頃にルースからジョンにメールが入り、10月に来訪が実現しました。 土曜日の夕方、ご主人のロジャーと14歳になるというペット犬(名前は忘れました)を連れての到着です。夕食はジョンの得意料理のローストチキン、私がジョンのお母さんのレシピのトライフルのデザートを用意しました。ジョンが食事の支度をしている間、台所のテーブルでお茶を飲みながら3人でお喋りをしていたのですが、私が何気なくごロジャーに、How are your kids? と聞いたら、ルースが、ロジャーの方は複雑なのよ、と横から一言。 そうです。 2人は再婚同士だったのです。 事情を知らなかった私はびっくりです。 それからロジャーが、前の奥さんが職場で不倫して離婚まで行ってしまったこと。3人の子供達ともいろいろと問題があってと、しばらくはロジャーの告白(?)が続きました。初めて会ったといっていい私に、あけっぴろげに内明け話をしてくれたのにもびっくり。 ルースとは5年前に再婚したそうですが、知り合ったキッカケは、と聞いたら、ネットの出会いサイトでと聞いてまたまたびっくりです。 ロジャーの方は離婚が落ち着いてから、出会いサイトでかなりの数の女性と会ったとのことですが、なかなか気に入った人にめぐり合えず、ほとんどあきらめかけた時に会ったのがルースだったそうです。 ルースに出会って本当によかった、今はとても幸せ、と、63歳になる男性の率直な言葉に、年齢のいった日本人男性の口からはこうした言葉は出ないだろうな、と今度は変なところで感心しました。 一度目は失敗しても、またいいパートナーを見つけたい、と積極的に婚活をするのは年齢に関係ないのですね。

田舎の廃屋になった納屋、朽ちていく美のようなものを感じました。

食事の間も昔話やらいろいろと話が弾み、話題はペットの14歳になるグレイハウンドへと移りました。この冬を越せるかというこの老いた犬は、もとドッグレース犬だったそうです。走れなくなった犬は捨てられたりして処分されるとのことですが、そんなレース犬を引き取って里親を見つけるグループがあり、ルースはそこから引き取ったそうです。 自宅の庭に陸カメを二匹飼い、今の希望はドンキー(ロバ)を飼いたいのだそうです。 ヨーロッパのどこかから酷使されていたドンキーをイギリスの動物愛護団体が引き取ってきたドンキーをです。 妹の馬舎で預かってもらえるから、とルースは言うのですが、それでも世話が大変だからと、ロジャーが反対しているとのこと。 やはり看護婦さんだったルースのお母さんはとてもおおらかな人で、ジョンと2人で初めて家に挨拶に寄った時は、娘達は全員独立して巣立った後で、重度障害で寝たきりの女の子を預かって自宅で世話をしていました。 持病を持ちながら最後まで地域活動も続けていて、お葬式には式場が溢れるほど大勢の出席者があったことは、Anty Josy (ジョーシーおばさん)の人柄ゆえだったと思います。 大の動物好きで、娘3人ともがそれを受け継いだ、とはルースの言葉です。 次女のレイチェルは湖水地方の田舎に住んでいるのですが、子供三人は小さな時にはそれぞれがニワトリをペットとして飼っていたそうです。 ルースが犬を連れて訪れた時に、そのペット犬が昔を思い出したのか、本能的にペットのニワトリを襲ってケガをさせてしまい、あわてて獣医さんに連れていって手術をしてもらった、という昔話もありました。

一休みした村の教会を振り返って。 特に特徴のない普通の教会ですが、遠くから眺めるとぴったりと周囲の景色に溶け込んで見えます。

翌朝、今日は近くに住むルースの息子の誕生日だから早めに帰る、という2人は、それでも、話がつきなく、朝食の後も10時過ぎまでおしゃべりをしていました。 帰る際、ルースが 今度はうちに遊びにきてね、と言ってくれ、台所にいたジョンには ”カム ヒヤ” (正確には北部訛りで ”クム ヒヤ” です) と呼びつけて、照れるジョンをハグしていた様は微笑ましい光景でした。 小さな時からお互いを知っている「いとこ同士」です。

(今回の写真はルース達のもの以外は前回載らなかったフランス巡礼の時のものです。)

 

突然の飛行機の音に空を見上げたらきれいな雲。 思わず写真を撮りました。 聞けば近くに空軍の基地があるとか。