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Enjoy a day out in the English Countryside
あり余るリンゴをいかに食するか
8月の後半から始まった我が家の庭のリンゴの季節もようやく終わりに近づきました、今年は例年になく豊作で、4品種、7本あるうちの4本が同じタイプ(古い品種らしく未だに名前を知りません)は特にたくさん実をつけるので、周囲に配り、玄関先にかごを出してもまだまだ残ります。実も皮も柔らかく甘みもありおいしいのですが、長持ちせず、もいで一週間もしないうちにぼけておいしくなくなります。虫に食われたり、ブラックバードや庭にくるリスにかじられ、傷がついて落ちるリンゴの数も相当量になります。それが腐っても始末におえないし、もったいない意識もあり、そんなリンゴをせっせと拾い集めます。実のいい部分だけにして、その量が大きななべに一杯になると火にかけて柔らかくなるまで20-30分煮ます。水も砂糖も加えなくてもおいしい煮リンゴ(ジョンはアップルシチューと呼んでます)になります。煮ると量も大分減るので、それをジップロックの袋に入れ平らにして冷凍庫へ。これに市販の冷凍のブルーベリーやチェリーの煮たものを混ぜ、ヨーグルトをかけたものが我が家の常備の朝食となります。この作業が落ち着く9月の末頃には別な種類のリンゴが熟してくるので、今度はこの実を使ってドライアップルを作ります。皮を剥いて芯を取り、スライスしたものをお皿に並べて5-6分レンジにかけ、ある程度水分を抜いてから小さなドライヤーで乾かします。6-7時間くらいすると完全ではありませんが、乾いて小さくなるので、それも袋に入れて冷凍庫へ。リンゴがない時期にスナックとして食べたり、お湯に戻してアップルケーキ用に使います。その他の保存用としては、これまた別な種類のリンゴでジャムを作ります。生る実の数は少ないのですが、皮は真っ赤、実の方にもうっすらと色がついているので、ジャムにすると薄いピンク色になります。
今年は特にリンゴの量が多かったので、ジョンがリンゴジュースもどきを作りました。芯を取ったリンゴに水、レモン汁、少量の砂糖を加えたものをミキサーにかけてから、変色しないように鍋で沸騰させない程度に温めます。そのジュース(?)に炭酸水を加えた飲み物一時期、夕食用のドリンクになりました。最初はどんなものかとおそるおそる口をつけたのですが、さっぱりとしたリンゴドリンクでまあまあおいしく飲めました。
保存用以外は、新鮮なリンゴをそのまま食べ、デザートとしても使います。イギリスでリンゴのデザートとして一般的なのは、アップルパイとブラックベリーを加えて作るアップルクランブルがあります。両方とも生クリーム、またはカスタードをかけて食しますが、かなりボリュームがあるので、お客さん用には作りますが、二人だけの時はフレンチアップルタルトを作ります。シンプルで軽いので夕食の後でもすんなりと胃に収まります。フランスではタルト用の型はサイズが決まっているようで、タルト用のパイシートも丸くできています。それを型に敷いて、煮たリンゴを敷き詰め、その上に薄く切ったリンゴのスライスを並べます。焼きあがると表面の並んだリンゴにうっすらと焼き色がついて見た目にも食欲をそそられます。休暇でフランスに行くと必ず一度は食べる私のお気に入りのスイーツです。
タルト以外では、ケーキや焼きリンゴ(芯をくり抜いて砂糖、ラム酒に漬けたレーズン、バターを詰めてオーブンで焼いたものです)も作ります。リンゴはどこの国でも手軽な果物らしく、アップルケーキは作りやすいのでしょうか、YouTubeを開くと様々なレシピが上がってきます、日本で住んでいた頃は市販のリンゴしか知らなかったのですが、チェルトナムでこの家に住み始めてから、昔ながらのイギリスリンゴに親しむようになりました。家を買った時には庭のリンゴの存在さえ気がつかなかったのにです。毎年、秋になると我が家はリンゴであふれるので、家の名前も、「アップルハウス」に変えてもいいのでは、と思えてくるほどです。
今月27日から一週間休暇でスペインに行きますので、来月は久しぶりに旅ブログをお届けできそうです。
以下、秋のコッツウォルズ風景です。