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Enjoy a day out in the English Countryside

エリザベス女王のプラチナジュベリー

エリザベス女王のプラチナジュベリー

2022年6月9日

 

二か月間の日本への一時帰国からイギリスに戻って約3週間経ったころ、エリザベス女王の在位70周年の祝典が6月3日から4日間に亘って行なわれました。国民にとっては4連休の祭日です。1952年に25歳での戴冠式から70年もの期間王位ついているのはもちろん歴史上初めてです。御年96歳、お祝いの初日、バッキンガム宮殿のバルコニーに立つ女王は普段より一層小さく見えました。昨年は夫君のエジンバラ公を亡くし、今年に入ってコロナに感染、お歳のせいもあり、体調は必ずしも万全ではないようです。

宮殿のバルコニーに立つロイヤルファミリー。ダウンロードした写真なのでサイズの拡大はできませんでした。

お祝いの行事に4日間もかけ何をするのだろう、と思っていたのですが、そこは伝統行事なのでしょうか、さまざまな催しものが用意されていました。初日はバッキンガム宮殿の前を衛兵達の行進、Trooping the colourと呼ぶそうです。ロイヤルファミリーのメンバーが宮殿のバルコニーからご挨拶です。行進の次に軍用機のパレードがあり、第二次大戦で活躍した戦闘機も堂々と宮殿の上空を飛んでいました。宮殿の前の広場から続く沿道は見物人でギッシリと埋まり、遠くはアメリカ、オーストラリアなどの国から来た人もいたそうです。

これもダウンロードした写真です。プラチナジュベリーの初日にバッキンガムパレスの前に集まった人、人、人。

2日目の午前中にはセントポール寺院で祝賀礼拝が行われ、ここで初めてハリーとメーガンが姿を見せました。3日目には馬を愛する女王のためでしょうか、記念の競馬が開催されましたが、2日、3日目の両日とも気分がすぐれない女王は欠席で、礼拝はチャールズ皇太子が、競馬ではアン王女が代理を務めたとのことです。2日目の夜にはイギリスの各地で、英連邦の国々でお祝いのビーコン(のろし)が灯され、我が家の窓からも遠くの丘にビーコンの灯りが見えました。3日目の土曜日の夕方には、バッキンガム宮殿前に設置された舞台で大々的なコンサートがあり、宮殿の建物がバックグラウンドになり、くるくると変る映像と共に様々なジャンルから有名なアーチストの演奏が披露されましたが、感心するほど見事な演出でした。

イギリスではエリザベス女王の人気は絶大です。人気というより70年に亘って国のために奉仕してきたことに対しての「尊敬の念」でしょうか。4人の子供達のうち3人が離婚、様々なゴシップをバラまいてきたのに対し、女王自身は公務一筋で、女王に関してのマイナスなニュースはまったくない、というほどです。ハリーとメーガンも招待されて来英はしましたが、現在は公務についていないという理由で、バルコニーにも現れず、目立たないまま行事が終わる前にアメリカに戻っていきました。

国主催の行事以外にも、あちこちでストリートパーティーなるものを開かれました。これも伝統だそうです。女王の居住城があるウインザーでは、住民が開いたこのストリートパーティーには何十個ものテーブルが用意され、3千人もの人が参加したとのことです。コミュニティで、また近所の人たちが集まって、通りにテーブルを並べ、食べ物を持ち寄ってお祝いするそうですが、残念ながら一般住宅が少ないせいか我が家の周辺では何もありませんでした。

女王のお歳からあと何年存命するかわかりませんが、公務の方は少しづつチャールズ皇太子に移行しているようです。国民からも英連邦の国々からも尊敬を集めている女王が健在の間は、王室否定論、英連邦メンバーの国(30国以上)の脱退ということはないようですが、政治に口を出したり、国民の間でもそれほど人気のないチャールズが王位を継いだらどのように変わるのでしょうか。世界中から何かと注目を集める英国ロイヤルファミリーの前途は不透明です。最終日の宮殿前のペイジェント(パレードの一種)の後に女王がバルコニーで国民に謝意を表して手を振っていましたが、後のニュースのあるコメントでは、国民の前に公式に姿を見せるのはこれが最後かもしれない、と伝えていました。

 

久しぶりにハイキングに出かけたコッツウォルズの丘。白い馬が草を食んでいる風景は絵画のようでした。

 

コッツウォルドウエイのフットパス。スノウズヒルの村に続いています。