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Enjoy a day out in the English Countryside
独り暮らしの10月
10月1日、ジョンが喜々として?アメリカに旅立ってから一ヶ月が経ちます。この西海岸を縦に通るトレイル縦走も今回で4回目です。残った距離はたいしたことはないので、6週間もかからないと思っていたら、以前歩いて気に入った地域を組み込んでの今回の行程だそうです。週に一度ぐらい食料の買い出しに山を下りた時に連絡が入ります。
私の方は久しぶりの静かな一人暮らしです。とりあえず、家の中の気になっていた戸棚などの整理をし、天気のいい日には庭のグリーンハウスを片づけ、アジサイや他の灌木、リンゴの木のツンツン伸びた枝を剪定しています。それ以外は自分が食べたいものを作ったり、本を読んだりしてゆっくりと過ごしています。
今月初旬に、先月 GreatMalvern に一緒に行った二人と餃子作りをしました。中国北部出身のMさんと話をしていて、本場の餃子はどんなものか、と聞いたのがきっかけです。日本に4年住んでいたそうで、日本語も上手です。中国で餃子と言えばゆで餃子、日本の焼き餃子は中国のものが進化したようです。当日、Mさんは包む具をすでに作ってきていたのですが、中身は牛の挽肉と玉ねぎだけです。他にYさんが豚の挽肉も用意していたので、それには白菜、干しシイタケ、にらと、具材は日本風です。こちらもMさんが味付けをしたのですが、ニンニクもショウガも入れないのが中国式だそうです。Mさんが小麦粉、水、塩だけで皮を作り始めたのですが、すべて目分量で、こねる手の感触と、驚いたことに、こねてる最中に匂いを嗅いで塩と水加減を調節していたことです。日本人のYさんや私の出るまくはありません。こねた粉を細い棒状にして小さく切り、それを皮にしていくのですが、Mさんはこれもまた手際よく一人で作ってしまいました。延ばされた皮を手分けして3人で包んでいき、3人が食べる分とそれぞれが持ち帰る分を合わせて100個以上は作ったと思います。聞けば、二週間に一度は家族用に作るそうで、真剣に餃子作りに取り組んでいるMさんを見ていると、中国北部の人にとってまさに餃子はソールフードではないかと思えてきます。ゆでた餃子は味もしっかりついているので、そのまま食べても十分においしく、つるんとした食感と共に、本場の中国餃子を楽しませてもらいました。
先週には、お隣りのご夫婦からお茶の招待が来ました。独りで寂しいだろうとの心遣いからだと思います。ご主人のトムの好物のミネストローネスープを作って伺いました。日本人だったら人を呼んでのお茶はそれなりにお茶うけを用意しますが、お隣で出たのは紅茶とちょっと高級な市販のビスケットだけのカジュアルなものでした。会話は主にコロナ前まで10年以上も毎年乗っていたクルーズ船の旅の話、二人の病気や健康のことなどで、私は主に聞き役でしたが、この会話が私には時に試練に感じるのです。ご主人が低い声でボソボソと話す英語が聞き取りない、奥さんに何か質問しても関係のない答えが返ってくることも間々あったのは、私の発音がわかりにくいのかなあ、と自分の英語に自信を失くす瞬間です。そんなわけでジョン抜きのお呼ばれは私にはあまりありがたくないのですが、隣人同士のお付き合いです。今年はお二人にとって結婚50年とのこと、金婚式のお祝いをチェルトナムで一番大きなホテルでするそうで、なんと私たちへの招待状が用意されていました。私が、ただの隣人なのに、と言ったのですが、でも25年もの間のお隣さんだから、というのが招待の理由?のようです。
時間と気持ちに余裕があるので、友人用の手縫いのTeaCozy(ティポットカバー)も仕上げました。去年も古い友人の娘さん(40代)がめでたく結婚したので、毛糸で編んだものとティポットをお祝いにあげたのですが、その時に、TeapotもTeaCozyもこの国ではあまり利用しなくなっているのを知らされました。デパートにも大きなアウトレットにもほとんどティポットを置いていないのです。コーヒー用の器具がズラリと並んでいるのは最近のトレンドを表しているのでしょう。結局ステンレスのティポットはアマゾンで購入しました。ティコージーの方も、どんなものがあるかと市内の店を見て歩いたのですが、一つも見つかりませんでした。イギリスは紅茶大国のはずなのですが。若者の嗜好が紅茶からコーヒーに移行しているのは事実だと思いますが、今は大多数のイギリス人はマグカップにティパックを入れてお湯を注ぐのが主流と思われます。ちなみにお隣さんは陶器製の大きなポットにティバッグを多めに入れて、二杯目用にケトルからお湯を足していました。毎日何回もお茶を飲む(主にジョンですが)我が家ではポットとティコージーは必需品ですが、今やイギリスではこの紅茶の入れ方はごく少数派なのかもしれません。