BLOG

Enjoy a day out in the English Countryside

カナリア諸島

カナリア諸島

2024年12月30日

表紙の写真はイタリア人の友人が働くマナーハウスの洗面所の棚のシクラメンです。

12月初旬、7泊8日でスペイン領のカナリア諸島に行ってきました。日本人には、ヨーロッパ大陸からさらに飛行機で3-4時間かかるので、訪れる人は少なく、あまり馴染みがないかも知れません。7つの火山島から成り、緯度は日本の奄美大島と同じくらいに位置しています。通年を通して温暖な気候なので、ヨーロッパでは人気があるリゾート地で、年間を通して1千5百万人もの人が訪れるそうです。特にこれといった産業はないので、観光業が主な収入源なのでしょう。オレンジ、バナナ、パイナップルが育つそうですが、平地が少ない地形から輸出するほどではないようです。一番人気はテネリフェ島ですが、私たちが行ったのはグランカナリア島という二番目に大きな島。ブリストル空港から4時間のフライトで、オフシーズンで人が少ないかと思ったのですが、飛行機はほぼ満席。私たちと同様、イギリスの陰鬱な寒さから暖かい太陽を求めてくる人たちです。夕方に島に到着しました。日中の気温は23-24度と快適で、半袖で過ごせる身軽さに、それだけで幸せを感じます。

借りたアパートの窓からの眺めです。

到着日は島の首都、ラスパルマスのホテルで一泊して、翌朝、目的地の小さな港、アガエテまでバスで移動。一時間ちょっとかかりました。宿は港に面したキッチン付きのアパートです。もちろんホテルもありますが、週単位で滞在する人が多いこと。料金も手頃なこともあり、このアパート式の宿はどこのリゾート地でも数が多く、部屋の生活用品も整っています。階下がレストランで、すぐ目の前が海、小さな港からは、隣のテネリフェ島に行くフェリーが頻繁に出ています。アパートの持ち主が近所で土産屋を経営しているせいか、部屋の中は店の商品を思わせる飾り物が数多く飾ってあるのにはちょっと閉口しましたが。

港から海岸沿いに続くプロメナード

島での過ごし方は、海岸沿いの散歩、ラスパルマスに出て旧市街の散策、溶岩で形成されたゴツゴツした岩山のハイキングでしょうか。冬でもハイキングが楽しめるので、北ヨーロッパからのハイカーの数もけっこう多く見かけました。一日レンタカーを借りて島を一周したのですが、南部は平地が多く、長い砂浜もあるので、休暇を楽しむヨーロッパ人で大賑わいで、スペイン本土のリゾート地と変りありません。大西洋の水は冷たいので、泳ぐ人は少ないのですが、ジョンはすっかり気に入って、ほぼ毎日前の海で泳いでいました。食事の方は、シーフッドを期待していたのですが、レストランの味がイマイチ、タパスの数もスペイン本土に比べて種類も少なく、揚げ物が多かったのは残念でした。そんなわけで毎日のように自炊していましたが、バス利用で行く、違う国のスーパー巡りも楽しいものでした。美味しい朝食を出すと評判の、港から少し離れたカフェに行ってみたら、なんと30代のオーナーの奥さんが熊本出身の日本人でした。こんな辺鄙な所にも日本人が住んでいることにびっくりです。

今回の休暇は、観光客が少ない静かな港を選んだこと、滞在したアパートがよかったこと、たかが、ローカルのフェリーでも、頻繁にその出入りを窓から眺められたこと(小さな船でも出航するのを眺めていると、なんとなく気持ちが和みます)、天気にも恵まれたこともあり、予想していた以上に満足のいく休暇でした。最終日、空港の洗面所で夏服から厚手の服に着替えてイギリスの寒さに備えたのですが、深夜近くに戻ったチェルトナムの自宅は一週間不在で冷え切っていて、その寒さに震えたものです。

グランカナリア島の紹介のつもりで、以下、写真を少し多めに入れました

ハイキングに行く際にバスで訪れた谷間の村です。右側の山を登りました。
港から続くプロメナードの先にある海水プール。何十年か前までは塩田だったそうで、浅いので子供連れで賑わっていました。
ハイキングで歩いた時のコースからの眺めです。海岸に近い地域ではサボテンがたくさん生えています。
近くの高台から眺めた港の全容。湾の右側に建物が並んでいます。ジョンが泳いでいたのは右側の小さな湾状になった海域?です。
海岸側の溶岩地帯に生えているサボテンで、下のサボテンには赤い実がたくさんついてました。
上の写真のサボテンの実です。眺めていたら、散歩中の地元のおじさんが、食べられるよ、と言って、実を取り葉っぱから長いとげを抜いて、それでグルっと皮を剥いて見せてくれました。真っ赤な果肉で、胃腸にいいそうです。ただ、目には見えないのですが、小さな産毛状のとげが生えていて、それが手に刺さるとチクチクするので、要注意です。種が一杯で果肉は少なく、少し甘みがあります。市場にも置いてあったので、地元ではとげを取って食べるのでしょう。
20分歩いて行ったアガエテの村のお目当てのバルが閉店一時間前に閉まっていたので、近くの地元の人が集まるバルに。そこのおじさんウエーターがビールと一緒にわしづかみしたピーナッツを無造作にテーブルに置き、から入れなのでしょう、プラステックのコップを椅子とテーブルの間に挟んでいきました。その雑な動作に思わず笑ってしまいました。
ラスパルマスの旧市街地です。クリスマスの飾りがきれいでした。

 

ラスパルマスの公園。クリスマスマーケットの準備をしていました。花壇の花はハイビスカス。他にもあちこちで花壇で使われていたので、やはり南国を感じさせます。