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Enjoy a day out in the English Countryside

イギリス人の主食は?

イギリス人の主食は?

2016年2月25日

2月も後半、外は黄水仙が盛りで春めいてきましたが、相変わらず気温は低く寒い日が続いています。こんな冬の日の朝食はさすがに冷たいシリアル類は敬遠、登場するのが暖かいポーリッジです。 アメリカではオートミールと呼んでいますが、中身は同じで、カラスムギ(オーツ)を煮てお粥状にしたものです。半分調理してあるのをポーリッジとして売っているので、それに倍量の水を加えて10分も煮れば柔らかくなります。味はついていません。発祥の地、スコットランドでは食べる時に牛乳と塩を加えますが、イングランドでは甘いのが好みで、塩の代わりに砂糖や蜂蜜を入れて食べます。日本人には塩味の方がぴったりきますが、ちょっと物足りないので、私は煮るときに熟したバナナとデイツ(ナツメ)のきざんだのを加えますが、フルーツの自然な甘さが出ておいしい、と思っています。繊維質も豊富なので、栄養的にもすぐれた朝食です。イギリスの麦類は日本の主食であるお米に当たるのでしょうか。

朝のシリアルとトースト、昼のサンドイッチと、パン類が基本です。夕食だけは料理の付け合せにジャガイモが俄然お多くなります。古い世代の人は、夕食にもパンにバターを塗ったものを付けていたようです。以前、年配のイギリス人のカップルに食事を呼ばれた時にもパンがありました。ジョンのお母さんが夕食にサーモンにフライドポテト(チップス)を添えて出してくれましたが、チップスの量は少なく、やっぱりバターを塗ったパンが添えてありました。イギリス人の伝統的は家庭料理は、肉に温野菜二種類(大体は煮たもの)と言われていますが、これだけではちょっと量的に足りなかったのかもしれません。でも、現在の夕食はかなり変わってきているように見受けられます。

030.JPG 肉料理よりも、準備が簡単なせいか、ピザ、カレー、パスタがかなりの頻度でテーブルにのるようになりました。カレーもパスタも、そしてシチュウさえも瓶に入ったソース類で簡単に出来るのです。肉を炒めてビン入りのカレーかシチュー(なぜかチキン用が多いです)のソースを加えて少し煮込めばできあがり。パスタも挽肉とタマネギを炒めたものにビン入りのトマトソースを加えればミートソース(こちらではボロネーズソースと呼んでいます)。他に一般的は夕食としては、温めればいいだけの出来合いの魚やチキンのフライ、バーガーなどがあります。カレーにはお米ですが、それ以外は付け合せはほとんどジャガイモです。野菜が付く場合はやっぱりゆでたニンジンやグリーンピースが多いです。 ざっとですが、以上が平日の平均的なイギリス人の食事でしょうか。意外にカレーが人気なのは、昔、植民地だったインドからの人たちが、レストラン、持ち帰り専門の店を開いたせいで、カレーがイギリス人の食生活に馴染んでいる理由と思われます。種類も充実しているビンのカレーソース、私も使ってみましたが、けっこうおいしいのです。そんな訳で、主食になるパン、ジャガイモのどちらも種類は豊富です。032.JPG 日本ではジャガイモの種類はせいぜい3,4種類ぐらいですが、こちらは茹でる、揚げる、マッシュ、ロースト、サラダ用と、それぞれの用途に合うジャガイモがスーパーにズラリと並んでいます。そして、冷凍食品の売り場で幅をきかせているのが、チップスの大袋です。それもオーブン用。特に子供のいる家庭ではかかせません。子供がうっとりと、I love chips! とテレビのコマーシャルでも宣伝していますが、チップスの嫌いな子供はいないのでは(もしかして大人も?)、と思うくらい、イギリスの子供はチップスが大好きです。近くのスーパーに買い物に行きがてらブログ用の写真を撮ったのですが、冷凍チップスの2.5キロ入りは、セールで少し安くなっていたせいか、売り切れでした。
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そして、パン類もまた様々なタイプのものがあります。基本はトースト、サンドイッチ用のスライスされたものですが、これがまたたくさん種類があるのです。白いパン、全粒粉、雑穀入り、種(多種)入りなどなど。健康には全粒粉入りの方がいいとわかっていても、ボソボソとした食感がちょっと、という人向けでしょうか、最近は 50/50 も人気があります。全粒粉の量を減らして白パンの柔らかな食感の妥協作パン、というわけです。800g入りの大きな袋が多いのですが、メーカーの違うものが何種類か、他に、スーパーの自社ブランドがそれぞれ薄切り、厚切りを置いていて、それに加えて、売り場の奥には当日焼きの新鮮なパンも置いてあります。イングルッシュマフィン、スコーン、菓子パン、などを入れると、パン売り場の占めるスペースは日本のスーパーのそれよりも何倍も広いではないでしょうか。。

最近は小麦アレルギーの人が増えているせいか、グルテンフリーのパンの棚もできました。ちなみに日本で売っている「イギリスパン」なるものは、今だかってみたことはありません。私も常に3種類位のパンを冷凍庫に買い置きしています。50/50のパンはサンドイッチ用、トースト用には種、雑穀入りや全粒粉パン、スープ、チーズ用に固い田舎パンなどです。日本で全粒粉入りのパンをほとんど見かけないのはどうしてでしょう。あれほど健康にこだわる日本人が、食パンとなるとどうしてふかふかの白いパンを好むのでしょうか。朝はパン食の人も多く、パンはもう嗜好品ではないと思うのですが。

私が初めてイギリスに来た頃は、どの町の商店街にも必ず個人経営のパン屋さんがありました。徐々に大きなスーパーがあちこちできてくるに従い、町のパン屋さんが消えていったのは残念です。(高級なパン屋さんはたまにみかけますが)スーパーでもそこそこおいしいパンは買えるのですが、フランスのどんな小さな町でも、パン屋さんが朝早くから焼きたてのパンを売っている風景は、残念ながらイギリスではみられません。イギリス暮らしも長くなりますが、いまでも時々日本の白いご飯の朝食が恋しくなります。でも、カリカリに焼いた薄いトーストも捨てがたい、と思えるようにもなりました。

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またまた食べ物の話で恐縮ですが、先週、ジョンと郊外のパブでランチをしてきました。元々の建物は5百年以上経っている街道筋にある古いパブです。そこはカーヴァリーといって、毎日、3-4種類のローストした肉を出しています。お皿を持っていくと、好きな肉を切り分けてくれます。あとはその脇にある温野菜(その店は14種類もの野菜を用意してありました)を好きなだけ盛ってテーブルに着きます。飲み物はカウンターで買います。私はハーフパイントのラーガビール、ジョンは運転するので、ハーフのサイダーです。

パブのローストはラムでもビーフでも中までしっかりと焼いてしまうので少し硬いのが難点ですが、値段(11ポンド)を考えれば文句は言えません。古いパブ内部の雰囲気を味わいつつ頂きました。イギリスのカントリーサイドを車で回る機会がある場合は、こうした雰囲気のあるパブでの食事、お勧めです。お皿に乗っているパンのようなものは大きなヨークシャープディングです。