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Enjoy a day out in the English Countryside

オランダ小旅行

オランダ小旅行

2018年5月3日

二日前のテレビの週間天気予報で、この週末から気温が上がり、やっと春らしくなるとのこと、この国に住む人にとっては待ちに待った嬉しい予報です。4月に何日か春らしい日があったのですが、その後はまた冬のような冷たい風が吹いて冬に逆戻りしたようでした。

 

いいタイミングで、暖かい日が続いた間に3泊4日でオランダに行ってきました。

日本からの女性3人(皆さん、ステインクロスのリピーターの方達です)と一緒です。私自身、オランダには過去に何回か行っているのですが、春のチューリップ見物は初めてです。人が集まる有名な観光地にはあまり興味がわかないので、チューリップで有名なキュウーケンホフガーデンに行きたいとの話が出た時も、それほど乗り気ではありませんでした。ただ、オランダは旅行先としてイギリスから近いし、英語も通じて旅行しやすい国なので、まあ行ってもいいかな、程度の気持ちだったのです。結果は好天気に恵まれたこともあり、予想以上にいい旅行でした。

2月に話が出てホテルの手配を始めた時は、すでにアムステルダム市内のホテルは満室、それでも郊外のホテルを何とか確保しました。やはりこの時期はチューリップ人気で観光客がことのほか多いようです。チェルトナムの南にあるブリストル空港から、アムステルダムまで1時間のフライトです。
格安航空券なので、出発は朝の7時。頑張って4時40分にチェルトナムを出発、ジョンが車で空港まで送ってくれました。
イギリスにはライアンエア、イージージェットなどの格安航空券が売り物の航空会社が何社もありますが、切符が安いかわりに制限がいろいろあります。手荷物は一つ、スーツケースを預けるとお金を取られます。予約した時に頼むとそれほど高額ではありませんが、当日に空港で預けると航空券よりも高い料金を請求されることもあります。今回も気をつけて、手荷物と小さめのバッグで搭乗手続きをしたのですが、機内に乗る前に、突然、女性係員に私たちの持っているバッグ類はすべて手荷物に入れるように言われまし。
普段はここまで厳しくないのですが、スタッフによるのでしょうか。皆頑張ってなんとか押し込みました。帰りの便ではバッグを肩にかけたままでも何も言われなかったのです。随分といい加減なものです。機内の飲食物はすべて有料。大手のライアンエアはチケットは安いのですが、その「せこさ」でも知られています。
過去に、機内のトイレ使用も有料にする案が出たそうですが、さすがに周囲のひんしゅくを買い、止めたそうです。それでも安い航空券は魅力で、フライトも1時間だし、制約の窮屈さもあまり気になりません。往復共満席でした。

オランダの広いスキポール航空に到着、何とか電車の切符も買え、電車に乗って40分ほどでライデンの町に着きました。駅前のホテルに荷物を置き、昼頃にバスでキューケンホフガーデンへ。 広い園内は大勢の観光客で賑わっていました。小さく区画された花壇にはありとあらゆる種類のチューリップが、ヒヤシンス、ムスカリなどの花とうまく組み合わせて植えてあり、単調にならないような工夫されています。園内のチューリップだけで何百万本にもなるそうです。花も見事ですが、これだけの数の花を植えるのにかかっている手間を想像すると、その作業の多さにも圧倒されます。ちなみにこのガーデンはチューリップを中心に花の咲く時期の3ヶ月間しかオープンしていません。

十分にチューリップを堪能し、翌朝はアムステルダムに向かいました。荷物を駅に預けて、市内観光を、と予定していたのですが、お目当てのヴァンゴッホ美術館の切符をインフォメーションで買おうとしたら、すべて売れ切れとのこと。どうも人気のある観光スポットの入場券は前もってインターネットで購入しておく、のが鉄則のようです。「アンネフランクの家」の方は、3時だったら当日券があるかも、と言われ、早めに行ったら、幸運にも入場券が買えたのでほっとしました。建物の前の長い行列は、30分ごとに入場者が入れ替わるので、次を待っている人たちです。私が最初にアムステルダムに来たのは1970年、その時は観光客もまばらで家の中も周囲もひっそりとしていたと記憶しています。15年前に来た時も、アンネの家もゴッホ美術館も問題なく入れたのです。

オランダだけでなく、他の国の人気の観光スポットも個人的に入場するにはインターネットでチケットを手配しておくのが最近の常識のようです。マスツーリズムの時代の時代です。以前は見かけなかった中国、ロシア、東欧、ブラジル、インドなど世界中の国の人々が海外旅行をするようになったのでしょう。観光地側も団体客、そして個人はネット購買者だけしか対応しきれないほど入場希望者が増えたということです。

 

フラッと気が向いたから美術館でも行ってみよう、という旅は許されない時代です。幸い、国立博物館のほうはすぐに入場でき、トラムにも乗り、アムステルダムの市内観光は無事に終りました。その日の宿は近郊にあるサーレムの町のはずれにあるホテルで周囲は静かな普通の住宅街です。翌日はフェルメールが住んでいた小さなデルフトの町を観光。土曜日に開かれる運河沿いの骨董品市を覗き、教会の塔のてっぺんまで階段を登ったりと、一日のんびりと過ごしました。小さな事件(私が電車のホームのベンチにデイパックを置いたまま電車に乗ってしまい、それを取りに行き電車に乗りそびれそうになったこと)はありましたが、3泊の旅は無事に終りました。

旅行後の感想としては、オランダはやはり旅行がしやすい国、との再認識でした。国が小さく、電車、バスの交通機関のネットワークもよく、あまり時間をかけずに移動できること。なによりも、国自体が「人間優先」にできている印象を受けました。車よりも圧倒的に自転車の数の方が多く、自転車利用者がとても優遇されているのです。どの町も街中が自転車であふれていました。体に支障がない限り国民全員が自転車に乗るのではないか、と思わせるほどです。そして、どこに行っても運河が目につきます。アムステルダムだけでなく、小さな町でも運河沿いの古い家並みを眺めながらゆっくりと散歩できるのも観光客にとっては嬉しいことです。

食文化はというと、残念ながらオランダ料理店にはめぐり合えませんでした。植民地だったせいかインドネシア料理店が多いのはわかりますが、アルゼンチン料理店(主にステーキ類)が負けない位数が多いのにはちょっとびっくりしました。フォークランド戦争の影響(?)のせいか、イギリスでは見たことがありません。私達がオランダで楽しんだのは、スペアリヴ(アルゼンチン)、ギリシャ料理、ベトナム料理でした。

 

いつかオランダの真平らな田舎道をゆっくりと自転車で周ってみたいなあ、と車窓の外に広がるチューリップ畑を思い出しながらイギリスに戻ってきました。

 

一番上の写真はムスカリを流れる川に見立てて植えたようです。
運河の写真はデルフトの町、下の写真は車窓から撮った一面に広がるチューリップ畑。