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Enjoy a day out in the English Countryside
6週間のコロナ自粛生活
約半年ぶりのブログです。
毎年、冬に2ヶ月ー2ヶ月半ほど日本で過ごすのが恒例となっていて、今年は1月中旬から3月後半と予定していました。 去年までは東京都内の実家の敷地にあった古いアパートの一室を借りて使用していたのですが、諸事情で実家が売られたのが去年の冬、今回から日本での住所がなくなりました。マンスリーマンションでも借りようか、と考えていましたが、千葉に住む昔からの友人の紹介で千葉市内にあるマンションを使えることになりました。友人の親戚に当たる人が長く使っていない部屋を貸してくれるとのことです。 何年も住んでいないらしく掃除が大変でしたが、不自由しない程度の家具付きの3DKの広い部屋を借りられたのは幸運でした。
コロナの感染が日本に拡がり始めたのが2月、3月に入ってもそれほどの危機感はなく、帰国準備を始めた20日頃に、ジョンから電話で、「イギリスで感染が拡がり全国がロックダウンになったので、まだほとんど普通に生活ができている日本にもうしばらくいたほうがいい」 との言葉に従って帰国便をキャンセルしました。今年はお花見ができる、と喜んでいたのもつかの間、アッという間に日本でも感染が増えてきて、4月8日には非常事態宣言が発令、私の6週間に及ぶ隔離生活が始まったのです。 外出は早朝の1時間のウォーキング、週1-2回のスーパーへの買出しのみで、それ以外はマンションの部屋にこもりましたが、3階の広いマンションだったので、閉じこもっていても閉塞感を感じなかったのは精神上大きな利点でした。近所にあったフックオフで仕入れた本とテレビを相手の巣ごもり生活の中、まったく人との接触はありませんでした。 ジョンからは定期的に電話とメール、1人での隔離生活を心配して、友人達や姉からの電話やメールもあり、孤独感は特に感じませんでした。友人からは差し入れの小包が届き、以前、何回かステインクロスを利用してくれた仙台のIさんは、私のブログがしばらくないのを心配してメールをくれました。 事情を説明すると、しばらくして、仙台名物などが入った心のこもった宅配便が届いたのには感激です。 その他にも、千葉市内にたまたま住んでいて、コロナ騒動が始まる前に一緒に食事をしたリピーターのお客さん、Yさん、Hさんが、1人暮らしで何か困ったことがあったら連絡してね、と言ってくれた言葉。 今、チェルトナムに戻って振り返ってみると、こうした周囲の人たちに励まされての巣ごもり生活だった、とあらためて思います。今までの長い人生の中、「人とのつながり」のありがたさを今回ほど実感したことはありません。
5月の連休後の宣言が延長になりそう、とのニュースを聞いてそろそろ帰国の時期かな、とジョンに聞いたところ、イギリスも5月末頃になれば感染状況が落ち着くという返事で、帰国便を探し始めました。 キャンセルしたKLMにも連絡したのですが、なかなか電話が繋がらなかった上、どうも若い女性の対応がかんばしくなく、それでは別なところをと思っていたら、隔離中、何回も電話をくれていた高知に住むFさんが、暇だし、無料の電話なので私がもう一度掛け合ってみると、何回もKLMに連絡してくれたのです。 結果、キャンセルした帰国便のチケットを使えるようだとのこと。 26日の便を予約できたのはラッキーでした。
帰国当日、千葉から成田空港行きの夕方の電車は通勤客で混んでいたのですが、途中、どんどん乗客が減って、終点の空港第一ターミナルに降りたのは私一人でした。 ちょっとびっくりしながら出発ロビーに上がっていくと、空港ビルは静まり返っていて、どこも閑散として人の姿もまばらでした。 コンビ二(どうも空港で働く人達用でした)以外のお店は全部シャッターが降りていました。 出発便の掲示板には、その夜の出発は二便のみ、しかもアブダビ行きが欠航、運航するのは私が乗るKLM便だけです。 チェックイン時間になると、それでも人がカウンター周辺に集まってきました。その中にカートにたくさんのダンボールを乗せた家族連れが何組かいたのですが、どうもコロナ感染で日本に帰国していた駐在員とその家族のようで、感染が落ち着いた任地の国に戻るようです。 残りの個人客には、オランダ、またはその周辺の国に帰国する私と似たような事情の人も何人かいました。乗客の数は三分の一ほどでしょうか、機内の席は並んだ3席に一人の割合で、席に置いてあったスナック類、バナナ、ペットボトルの水が入った袋は機内食代わりです。 アムステルダム空港到着間近にはホットミールが出ましたが、コーヒー、お茶のサービスはありませんでした。 それでもゆっくりと横になって休めたこと、乗客が少ないためトイレがいつも空いていたことを考えると快適な空の旅ではありました。
オランダ、スキポール空港でトランジットのための6時間の待ち時間の後、バーミンガムに向かいました。 普段より小さな飛行機で、やはり二席に1人、1時間のフライトです。 バーミンガム空港での入国には検査や質問を覚悟していたのですが、何もなく、他に到着便もなかったので、行列もなくパスポートを機械に差し込んでゲートを通り、すぐに出てきたスーツケースを持って到着出口に。その間15分、なんともあっけない入国でした。 私が帰国してから10日後の8日からは、イギリス入国者は全員イギリス国内での住所を登録して二週間の自己隔離、その間、チェックも入り、違反者は千ポンド(約14万円)の罰金が科せられる規則が導入されました。 いまさら? とも思える、よくわからないイギリス政府の対応です。
4ヶ月半ぶりのイギリスは春を通り越して初夏、迎えてくれたのは濃い緑一色のなつかしい田園風景でした。
次回のブログでは、イギリス国内のコロナ感染事情を私のわかる範囲で書いてみたいと思います。
* 一番上のあざやかなボタンの花の写真は、私が毎朝のようにウォーキングで歩いた千葉公園のものです。