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Enjoy a day out in the English Countryside

市民農園

市民農園

2021年9月6日

イギリスの夏休みは8月の最終週末の3連休で終わります。 今年はなんだか夏が来ないまま秋になってしまったような気温の低い曇り空の多い8月でした。コロナ環境でホリデイで海外に行く人が少なく、逆に国内の行楽地はどこも賑わったようです。北ウエールズにある、イギリスでは二番目に高い山、スノードンは山頂に向かう登山道に行列ができたとのニュースもありました。イギリス人の間で人気のコーンウォール近辺に大勢ホリデイ客が押しかけ、この地域のコロナ感染者が他よりぐんと増えたとのこと。 コロナ対策の規制の解除後は、ワクチンもそれなりに国民に行き渡り、これからは各自の責任で感染予防を、との政府の方針が受け入れられてきたようですが、感染者は連日3万人を超え、日本に比べるとずっと多いのが現状です。重症化する人の数が低く収まっているせいか、とりあえず今のままで行くようですが、感染が多い10代にも近くワクチン接種が始まります。

日本と違いイギリスは気温が低いので、野菜が育つのも遅く、7月中旬頃からようやく借りている畑の野菜が収穫できるようになりました。市民農園(Alottment とこちらでは呼びます)はチェルトナムの町の外れにあり、すぐ隣はもう牧草地です。中国人の友人と共同で借りてもう10年がたちます。園内の区画は場所にもよりますが、私たちが借りているのは約100坪ほどあるのでけっこう広く使えます。毎年一月にその年の賃貸料の75ポンド(約一万円)を市に払います。利用希望者が多く、なかなか順番が来ない、との話はききますが、農園の中には雑草だらけで明らかに使われていない区画もあり、この辺のいい加減さはいかにもイギリスらしいです。正確に数えた訳ではありませんが、おおよそ40区画ぐらいあるでしょうか。借主の半分以上はリタイアした年配の男性です。 以前はイギリス人ばかりかと思っていたのですが、最近はポーランド人、ハンガリー人、フランス人など外国人の借り手も増えてきています。こちらは30代、40代と若い世代です。

とてもフレンドリーな男性で、快くモデルになってくれました。

農園の中を見渡すと、畑にかける時間によってどれだけの差がでるかが歴然としてわかります。時間がたっぷりあるお年寄りたちは、毎日のように来ています。お隣の畑の借り手は80代と思われる男性ですが、近くに住んでいるので、毎日、少なくとも二回は畑に来ているそうです。小さなビニールハウスの前に椅子を置き、休憩しながらの作業ですが、畑の方は雑草もなく、様々な野菜と花が整然と植わっています。お年寄りに限りませんが、農園は社交の場でもあるらしく、シーズン中はあちこちで話に花をさかせている人たちを見かけます。

私たちの畑です。手前からホウレンソウ(大きな葉で摘んでも摘んでもどんどん出てくる、パーペチュアル スピナッチ)という種類です。その横からスイスチャード、スウェード(かぶの一種)、ニンジン、キャベツ です。
ラナービーンズ。花が咲き続ける間は収穫ができます。細切りにしてお醤油だけで味付けするとシャキシャキとしてとてもおいしいです。
ズッキーニです。去年は黄色いズッキーニも植えたのですが、今年はこの種類のみです。 くせがないのでいろいろな料理につかえます。

畑で育てるのは、ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎ、といった定番野菜の他、イチゴ、ラズベリーなどのベリー類も人気です。日本でよく見かけるトマト、キューリなどは外では育たないので、ビニールハウスを使用。 定番野菜の他、どの畑に植わっているのが、インゲン、ラナービーンズ(モロッコインゲン)、ズッキーニです。育てやすいので、私たちの畑にももちろんあります。中には変わった野菜、アーティチョーク、フェネルとかの変わった野菜も見かけますが、それほど料理に手をかけないイギリス人(特にお年寄り)がどう料理して食べているのか不思議です。私としては、ナス、大根、小松菜、など日本料理に使える野菜も欲しいところですが、気候が違うせいか、なかなかむずかしいようで、庭のグリーンハウス内のシソが唯一の日本の味となっています。 畑を始めて少し慣れてきた時期から、ビートルート(赤カブ)やスイスチャードなど、以前はなじみのなかった野菜にも挑戦し始め、食べ方も工夫するようになりました。ズッキーニのキンピラ風、ビートルートのサラダは畑を始めてから覚えたレシピです。スーパーのきれいな野菜と違って、泥を落としたり、形がいびつだったりで手間はかかりますが、新鮮なのがなによりです。春の土起こし(耕作機がないので人力)から始まり、苗の植え付け、水やり、雑草取り、と収穫までの作業も多いのですが、野菜作りはなかなかいい趣味だ、と思えるようになりました。時間の余裕がある去年と今年は特に感じます。使っていた自転車がダメになってから、私はそれほど頻繁には行けないのですが、ジョンの方は夏の間、畑で過ごす時間が大幅に増えました。ジョン曰く、イギリス人の男性にとっては、「畑は口うるさい奥さんからの逃避の場でもある」そうです。

以下、8月に出かけたコッツウォルズの風景です。

つい最近まで青々とした畑だったのに、いつの間にか収穫間近の麦畑、 今年は長雨も雨不足でもなかったので順調に育ったようです。
生垣から覗いた庭。片隅にある優雅な休息所(?)。お茶を飲みながら過ごすのでしょうか。

 

小さな村に入ったところにあったコテッジ。家の前は花がずらりと並んでいて、パッとここだけ華やかでした。普通、夏の終わり頃になると花も疲れて見えるのですが、これだけきれいになっているのは、持ち主がよっぽど花好きなのでしょう。
上のコテッジの花の一部です。

 

フットパスの脇で写した写真です。まあそれなりに風情はあるのですが、やっぱり夏の終わりの寂しさを感じさせます。