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Enjoy a day out in the English Countryside

友人の誕生日

友人の誕生日

2021年8月2日

7月末の現在、日本から届くニュースは、東京で開催中のオリンピックの話題とデルタ異変種の感染拡大についての二つにつきます。デルタ種の感染増加に関してはイギリスも同様ですが、最後の規制が予定通り7月19日に解除がされたままで、「ワクチン接種が進んでいるので、これからは個人の責任で感染対策をしてください」というのが政府の方針のようです。さすがに都市部の大勢の人が利用する電車、地下鉄、バス内でのマスク着用は強制に戻りましたが。政府の対応に反対意見も多くありますが、感染数が高め(一日3万人前後)の横這い状態、解除による増加の予想に反して減少気味なので、今のところは様子見といったところでしょうか。

 

7月の中旬にイタリア人の友人、ルアナから電話があり、本人の60歳の誕生日にランチを一緒に、と誘われました。10代の頃にイタリアを離れて、ナニーとして雇い主の家族の下でずっと働いています。お世話をしていた娘さんが大きくなってからも、独身のまま住み込みの家政婦の形でお屋敷の諸々の仕事を奥さんと一緒に切り盛りし、夕食の支度も奥さんと交代でしているそうです。この奥さんがとてもできた人で、いつ私たちがおじゃましても笑顔で迎えてくれます。ルアナとの相性もとてもいいようで、現在はほとんど家族同様の扱いで、80歳近い夫妻にとってかかせない存在となり、なにかと頼りにされているようです。

ランチ風景です。料理を取り分けているルアナ、右側女性が奥さんです。

一家が住むお屋敷はコッツウォルズのカントリーサイドにあり、ゲートから奥まったお屋敷までドライブウエイが200m以上あります。建物自体はそれほど大きくはないのですが、りっぱなマナーハウスです。芝生に囲まれた広い敷地内にはプール、テニスコートの他、昔は納屋だったのを改造した別棟の建物もあります。この家の前の持ち主は、エーリアン、グラディエーターなどで知られる,リドリースコットという映画監督だったそうです。ご主人は宝石店を何軒か経営しているそうですが、元々裕福な家柄だったと思われます。 広いガレージには、ご主人の趣味だというクラッシックカーが何台も置いてあります。

奥さんとルアナがベビーシッターをしていた一番下の娘さんとその子供。

ルアナと知り合ったのは、昔私がチェルトナムで英語の語学学校に通っていた頃で、以来、それほど頻繁に会うわけではありませんが、中国人の友人と共に30年以上のお付き合いになります。おもしろいのは、イタリアから来てこの家で英語を覚えたルアナは、家族と同じアッパークラスのアクセントで英語を話すということです。以前、ジョンも一緒に会った時、彼女の英語のアクセントにびっくりしていました。 イギリスでも日本の還暦と同じように60歳の誕生日は特別で、普段より盛大にお祝いをします。中国人の友達と、誕生日のお祝いに3人で車でどこかに行こうか、と話していたのですが、本人の方からランチの誘いがあったので、 ドライブは又の機会にして、二人でマナーハウスに出かけました。誕生日のお祝いに私が用意したのはヴィンテージのポートワイン(仕事に疲れた時の一杯用として)、他に中国人の友人と一緒にガーデンセンターで鉢植えのバラを買いました。何か残るものをと考えた末です。バラの方もきれいなガーデンに植えられて幸せでしょう。

料理はラザニア、オーブンで焼いたサーモン、左のパンはルアナが焼いたフォッカッチャです。
これもルアナが作ったバースデイケーキ。イチゴとチェリーのケーキにチェリーソースをかけたもの。とてもおいしかったです。

誕生ランチの方はルアナ本人の手料理で、イギリス人の友人、奥さん、ルアナが昔ベビーシッターをしていた娘さん(40歳になるとのこと)が子供連れで参加です。お屋敷の敷地内にはあちこちにテーブルとイスが置いてあるのですが、今回は裏庭のプールのすぐ横にあるテーブルが用意されていました。大皿に盛った何品かの料理はすべて料理自慢のルアナの手によるものです。女性同士、話に花をさかせながらの和やかなランチでした。翌日の土曜日は一家全員で(夫妻のひ孫をいれて20人以上)、チェルトナム郊外のインド料理店で彼女の誕生祝いをする予定だそうです。夫妻の3人の子供一家から拡がった家族の誰もがマナーハウスに住む夫妻をいろいろな面で頼りにしているそうですが、自分たちの用事がある時は子供(今は孫)を預けにやってきます。その子供たちの世話もルアナがしてきました。以前、彼女に用事があってマナーハウスに寄った際、何人もの幼児がいて、まるで託児所のようでしたが、ルアナは慣れた様子で子供たちの面倒をみていました。

ルアナと中国人の友人。

現在は老夫妻との3人だけの生活で、少しは忙しさから解放されたでしょ、と聞いたら、しょっちゅう家族の誰かに来ていて、夏には夫妻の親戚も何組か滞在していくので、なかなか楽にならない、とのこと。それでも家族中から頼りにされ、いつも精力的に動き回っています。 私にとっては、別世界のイギリスのマナーハウスの生活ぶりを覗ける機会なので、ルアナからお茶に、ランチにと誘われるごとにありがたく出かけていく次第です。

お屋敷を脇から撮ったので、全景ではないのですが、レンコムマナーハウスです。

以下は最近コッツウォルズを歩いた際に撮ったコッツウォルズ風景です。

民家の脇の空き地にメドウフラワーのミックスシード(種)を春に撒いたのでしょうか。きれいなお花畑になりました。
季節が動くと野に咲く花も違ってきます。
村とも呼べない小さな集落の中の一軒です。コッツウォルズの風景の中に溶け込んだパーフェクトに見える家でした。