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Enjoy a day out in the English Countryside
チャールズ国王の戴冠式を控えて
日本から帰国して3週間が経ちます。帰国した頃は、まだ冬かと思うくらい寒く、日本との気候の差を感じたものですが、少しづつ春らしくなってきました。それでも、いつもは4月中旬には満開になる庭のリンゴの花が今週に入ってやっと蕾が開いてきたところです。昨日は初めての春らしいポカポカ陽気だったので、午後になって散歩に出かけました。近くのレストランやパブが集まっている、この町ではトレンディなエリアとして知られている方に歩いて行くと、いつも以上に賑っていました。土曜日のせいかと思ったのですが、通りに面した公園でジャズフェスティバルが開催されていたのです。公園内にはいくつものテントが張られ、ステージが立ち、ジャズっぽい音楽がどこからか流れてきます。天気がいいせいか、芝生は足の踏み場がないくらい家族連れ、若者のグループで埋まっていました。
来週、5月6日に戴冠式としては70年振りとなるチャールズ国王の戴冠式が行われます。4日間に渡って祝賀行事が続きますが、その割にはどうも盛り上がりが欠ける印象があります。昨年から物価の高騰が続き、国民の生活は厳しい状況にあり、様々なセクターでの賃金、待遇改善を求めるデモも続いています。みんななかなかお祝い気分にはなれないのでしょう。こんな時期に戴冠式を行うチャールズも気の毒です。去年の6月のエリザベス女王のプラチナジュベリーのお祝いの時は、国中が祝賀ムードだったのですが。。。 戴冠式を控えて着々と準備は進んでいるようですが、国民の間では冷めている気配がチラホラと見える印象があります。日本では皇室メンバーの好感度(指示するかしないか)を図るなんて考えられませんが、イギリスでは民間のメディアで定期的に行われています。ダイアナの生前、カミラとの関係をメディアで暴露され、大きなスキャンダルになった当時は、次の王位はチャールズを飛び越してウイリアム王子に、という意見も出たほどチャールズの人気が落ちましたが、ダイアナが亡くなり、数年後、カミラと正式に再婚してからは徐々に改善してきたようです。カミラが控え目でチャールズを支えている姿勢も好感を持たれ、女王が亡くなる一年前には、チャールズが王位に就いた際には、カミラを王妃(クイーン)にするようにとの女王の指示がでたとのこと。
恒例のお祝い行事のハイライトに二人を乗せた豪華な馬車でのパレードがありますが、このコースも経費節減でかなり短くなりました。チャールズが王位についてから、王室のスリムダウンを掲げて、公務を行うメンバーのみが実質の王族とみなし、バッキンガムパレスのバルコニーで挨拶に立つのもこのメンバーのみになるとのこと。不祥事を起こしたアンドリュー王子や、公務を離れて王室批判を繰り返すハリーも戴冠式には出席しますが、二人とも目立たない席になりそうです。
優柔不断、わがまま、とのチャールズの評判もある一方で、自然保護活動、農業を目指す若者たちのサポートなどチャリティー活動に熱心な面もあります。王位に就くまでは、グロスター州にある自分の農園から有機栽培の農産物をダッチ―というブランドで販売もしていました。(利益はチャリティーに行ったそうです)
チャールズが国王として国民の指示を受けながら王室を守って行く前途はバラ色とは言えませんが、常に世界でもっとも脚光をあびる英国王室を守り、王室廃止論者の声を抑えて、立派なチャールズ王三世として短い在位を務めあげるのか、イギリス国民だけではなく。世界中が注目していくことでしょう。