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Enjoy a day out in the English Countryside

ウエールズについて

ウエールズについて

2023年5月31日

5月の中旬に二泊三日で北ウエールズのスノードニア国立公園にキャンプに行ってきました。コロナのロックダウンが始まった頃からずっとジョンのオンラインレッスンを受けているFさんが旅行でチェルトナムに来たのですが、キャンプというものをしたことがなく、一度経験したいというので、それでは、とウエールズ行きが決まりました。4月からずっと続いていた不安定な天気は幸いにも晴れのパターンに変り、キャンプには最適の天気でウエールズの山岳風景を楽しめたのはラッキーでした。

キャンプ場の近くの丘の上から見えた山々。右端の山がイギリスで二番目に高いスノードン。と言っても1200メートルほどです。雲かがかっていることが多いのですが、今回はくっきりと見えました。

ウエールズは北部と首都のカーディフがある南部に人口が集中していて、中央は緩やかなカンブリア山脈の山岳地帯が広がっています。山と湖が多い点では湖水地方に似ていますが、サイズ的にはスコットランドのハイランドと湖水地方の間くらいの大きさでしょうか。ウエールズはイングランド、スコットランドと比べると地味な地域で、日本にはあまり知られていませんが、かなりユニークな国(?)ではあります。

紀元前にアジア中央部から移動してきたケルト族はヨーロッパに分散されましたが、イギリスに定着したケルト人はローマ人とアングロサクソン人等の度重なる侵略で、ウエールズに追われたことではスコットランドと同じです。同じケルト族でも種族に寄って特徴も異なります。赤毛でそばかすが多く、肌の色が透き通ったように白い人たちはスコットランド、アイルランドに多いですが、ウエールズ人は髪の毛が濃く、体系も小柄な人が多いそうです。日本の長野県に住んで自然保護の活動に熱心だったC.W.ニコルは、典型的なウエールズ人だったように思えます。今でも独自の言語を持ち、公用語として英語と共に日常でも話されています。フランスとスペインの国境をまたぐバスク地方の言葉と類似点があるとのことです。英語とはまったく異なり、とにかく発音がむずかしい言葉です。学校ではウエールズ語を義務として教えてはいますが、実際にウエールズ語を日常的に使っているのは人口の三分の一程度にとどまるそうです。Jones、Evans、Edwards といったよく聞く苗字は典型的なウエールズの名前とのこと。

Llanfairpwilgruyngyllogerychwyrddobwillantysiligogogoch。これはウエールズに存在する世界で一番長い村の名前です。発音不可能に思えます。言葉の響きの影響らしいですが、ウエールズ人には歌がうまい人が多く、数多くの歌手を輩出しています。また、ラグビーの発祥地であることはご存じの通りです。誇り高いウエールズ人ではありますが、スコットランドのように、イギリス(United Kingdom)からの独立を目指す運動は起きていません。ウエールズとしてかなりの自治権はありますが、経済面では中央政府に頼らざる負えない面もあります。過去に栄えた南部の鉄鋼業、石炭業もさびれ、ウエールズが一国として独立してやっていけるほどの産業がないと思われます。

単一民族である私たち日本人にはわかりにくいイギリスの国の構成ですが、他の国によく起こる民族の違いによる争いがないのは、イギリスでは民主主義が根付いている「大人の国」だからではないでしょうか。ちなみにスコットランド独立を目指す熱心な活動家でもあったSNP(Scotland Independant Party)の 女性リーダーが最近家族の不祥事で辞任しました。中央政府からの独立のための国民投票も認められない中、スコットランド独立運動は少し下火になりました。イギリスに長く住む日本人として、現在のイギリスの地図はこのままであってほしいと願っています。

以下の写真は先週,コッツウォルドにハイキングに行った時のものです。Queen Ann’s Lace と呼ばれる雑草ではありますが、道の両側、野原一杯に咲いている様は見事です。この花の他に、栃(マロニエ)、サンザシの三種類の花が野原に一斉に咲き、見事な白のグラジエーションを作っていました。