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Enjoy a day out in the English Countryside

イギリス人的休暇

イギリス人的休暇

2023年12月30日

一年の最大行事であるクリスマスが終わり、ちょっと気が抜けたような雰囲気が街に漂っています。今年はマンチェスターには行かず、チェルトナムでジョンと二人だけのクリスマスでした。最近とみに料理やケーキ作りに熱心なジョンのクリスマスディナーはローストチキンでしたが、なかなかの出来で、私にとっては、楽でとてもリラックスしたクリスマスとなりました。

エステポーナの海岸から望む日の出。

二カ月前の10月半ば、スペイン南部のマラガ行きの安い航空券があるけど、とジョンが言ってきました。アメリカ滞在中はほとんど毎日車を運転していたので、ジョンにとってはあまりリラックスできなかったようで、気軽に行ける南ヨーロッパに行きたい、とフライトを探していたのです。今年のイギリスは例年にも増して雨が多く、うんざりしていた私は即決、一週間のスペイン行きがあっさりと決まりました。マラガはスペイン南部のアンダルシアの海岸沿いに位置し、その周辺は コスタデソル(太陽の海岸)と呼ばれ、イギリスでは一番人気のホリデイリゾート地帯です。航空券を購入し、アパートタイプのホテルも予約して、11月9日から一週間、エステポーナという小さな海岸の町で過ごしてきました。行きの切符は6千円弱と格安だったのですが、朝の6時半という早い出発時間が安い理由だったようです。朝の4時に車で家を出てブリストル空港近くの大きな駐車場に車を止め、そこからシャトルバスで空港に向かいます。早朝というのに空港内は混雑していて、飛行機も満席でした。2時間ちょっとのフライトでマラガに到着。そこはもう南国で真っ青な青空です。マラガ市内には寄らず、空港からバスで1時間15分東に行くと目的地のエステポーナの町です。ホテルは海岸沿いに続くプロメナードから少し入ったレストラン街の真ん中にありました。二階の部屋はちょっと狭いですが、清潔で必要なものはすべて揃っていて結果的にはとても居心地よく過ごせました。

旧市街にある住宅です。11月というのに花が一杯咲いていました。

イギリス人の一番ポピュラーな休暇の過ごし方は、何といってもビーチホリデイです。1-2週間海沿いのリゾートホテルでずっと過ごす滞在型です。昔は、イギリス国内の海岸が主流でしたが、手ごろな料金で海外に行けるようになってからは、太陽の保証がない国内よりも、旅行社のパック旅行で、チャーター便とホテルがセットになっているものから場所を選んで申し込むタイプが多くなりました。比較的安く行けるスペイン、ポルトガル、ギリシャ、トルコが人気です。中でもスペインの「コスタデソル」はホリデイ客用に大々的に開発され、高層の大きなホテルが乱立して、夏にはヨーロッパ北部から大勢の人々がやってきます。通りにはパブもフィッシュ&チップスのお店もあります。そんなリゾート地の一つ、ベニドームを舞台に夏の休暇で来た典型的(?)労働者階級のイギリス人たちの様子をおもしろおかしく綴ったコメデイのテレビの人気番組もあり、一時は私も観ていたのですが、さもあろう、という人たちの行動がよく出ていました。11月はシーズンオフで旅行社のパックはないので、みんな自分たちでフライト、ホテルを手配してスペインの明るい太陽を求めてやってくるようで、スペインの入国審査時は長い列ができるほど賑わっていました。

同じく旧市街の建物。写真にあるのはオレンジの木てす。旧市街地の通りには並木のように並んでいました。実をたくさんつけていたので、落ちていたのを拾って食べてみたのですが、残念ながら甘くはありませんでした。

私たちが滞在したエステポーナは日中の気温が20度前後、さすがに水着姿は見かけませんでしたが、海岸に沿って長く続くプロメナードは地元の人も含め散歩客で一日中賑わっていました。通りの脇には花壇とペンチが置いてあり、ゆっくりと過ごせるように工夫されています。この町をベースに、近くのイギリス領であるジブラルタル、海岸から山岳地帯に入ったところにある有名な観光地、ロンダを日帰りで訪れたりして1週間のんびりと過ごしてきました。暗くて雨の多いイギリスの冬を逃げ出して、一日中陽が当たる海岸でのホリデイを焦がれるイギリス人の心境が実感として伝わってきたホリデイでした。

今回は写真を多く入れました。アンダルシアというとグラナダ、コルドバ、白い村などが有名ですが、他にもいいところがあるのが、今回の発見でした。   1月から3月までブログはお休みとなります。

エステポーナの海岸から望むジブラルタルです。一見島のようにみえますが地続きです。
イギリス領のジブラルタルに入るためにはきちんとした入国審査が必要です。これがけっこう厳しくて、スペイン側に戻って来る時にジョンがイギリス帰国用の航空券を求められました。 ジブラルタルの中は完全にイギリスですが、ユーロもポンドも通用する、ちょっと不思議なところでした。
内陸高地にあるロンダの町です。深い崖の上に市街地があります。
ロンダの市街からの風景。
同じくロンダの市街から見える風景です。
部屋での食事風景です。スーパーのお惣菜もけっこうおいしく、生ハムとチーズを添えればりっぱな夕食になりました。窓の外からは毎晩レストラン街の客を相手のバスカーが音楽を提供してくれました。
市内のレストランでランチした時の写真です。ジョンは相変わらずピザ。私は Sword fish を日本の太刀魚と思って注文したのですが、出てきたのはメカジキでした。(後で知ったのですが)前菜は小さなイワシのフライと共に、私の新鮮な魚欠病症が満たされた食事でした。サングリアもとてもおいしかったです。
市内のスーパーです。クリスマスが近かったので、大きな塊の生ハムがずらりと並んでいて壮観でした。