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Enjoy a day out in the English Countryside

アフタヌーンティ/イギリス人の外食

アフタヌーンティ/イギリス人の外食

2019年9月13日

今年は6月から7月にかけてアフタヌーンティに行く機会が二回もありました。 いずれも親しくなったリピーターのお客さんに同行したものです。 場所はコッツウォルズの村にあるホテル。 過去にもアフタヌーンティ体験についてブログを書いたことがありますが、その時はチェルトナム市内のホテルでした。 普段からケーキ類が好きというわけでもなく、アフタヌーンティの雰囲気へのあこがれみたいなものもなく、まあ、こんなものか、という印象でした。 最近は街中のティルームでも味わえるようになりましたが、せっかくいくなら有名どころへということで、一回目に選んだのがブロードウエイにある リゴンアームス、何百年も続いている老舗のホテルです。メンバーは私を含めて5人のシニアです。 その日はあいにくの雨で、ホテル内のテーブルに案内されました。 昼食を兼ねてでしたが、量が多いことはわかっていたので、注文したのは3人分、それを5人でシェアしました。 豪華な3段重ねのトレイはやはり見栄えがよく、運ばれてきたときは歓声があがりました。 下からサンドイッチ、スコーン、そして一番上には小さめのケーキが幾つか並んでいます。 フィンガーサンドイッチと呼ばれる一口サイズのサンドイッチは決まりでもあるのでしょうか。 どこも、キューリ、ハム、スモークサーモンの3種類です。 昔はキューリが貴重だったということで、その伝統が今でも続いているようです。 アフタヌーンティ以外でこのキューカンバー(キューリ)サンドイッチにはお目にかかったことはありません。二段目のスコーンは巾が10cm近くもある大きなものが一つお皿の真ん中に乗っていました。 厚みもあり、縦半分に切り、それを厚さ半分にしても大きすぎて、口の中でもそもそとします。一つのスコーンを小さく切り刻んでもスコーンらしくないし、ジャム、クロテッドクリームを乗せておいしく食べるには適当なサイズがあると思うのですが。 3人前の量でもケーキは多分残るだろう、とジョンのお土産用に容器を持ってきたのは正解でした。 ご一緒した皆さんには、雨の中でしたが、イギリス旅行の経験の一つとしてのアフタヌーンティ、楽しんで頂けたようです。

二回目は7月の初旬、前回から2週間後、やはりコッツウォルズの小さな村、アッパースローターにあるローズオブマナーホテルです。 観光客で賑わうボートンオンザウォーターからローアースローターを経由しての、徒歩1時間弱のところにある静かな村です。今回のお相手は、このところ毎年のようにチェルトナムに来ているYさん。 認知症のお姑さんのお世話を定年になったご主人と共にしているので、その気分転換の旅行とのこと。 この日は朝から気持ちよく晴れ、青空の下でのアフタヌーンティです。 予約は今回も昼食を兼ねて1時と早めにしました。 のんびりと歩いて辿りついたホテルの庭には幾つかテーブルが並んび、その一つに案内されました。 広いガーデンは静かで、他にお客は年配のカップルが一組だけ。 運ばれてきたトレイは他と似たようなものでしたが、ここはトレイの2段、3段共にケーキが乗っていて、スコーンは別のお皿に普通サイズのが二つ出てきました。 時間をかけておいしくいただきました。 座っているだけで気持ちが安らぐこの空間がなによりでした。 日本からの観光客、特に女性にとってこのアフタヌーンティはイギリスに来たら一度は経験したいことの一つですが、食べる中身よりも、雰囲気にあこがれるのではないか、と思われます。 イギリスらしい高級感のあふれるホテルでの「お茶」を楽しむ、ということなのでしょう。

この雰囲気を楽しむ、というのはイギリスにおける外食にも繋がるのでは、と私は思っています。 時々、古くからの友人でこの町に住むイタリア人、中国人の3人でランチをするのですが、最近は市内のレストランにあきたらないという二人に付き合って、コッツウォルズのレストランに行くことが増えました。車でしかアクセスできないパブやレストランです。
パブも最近は高級志向のガストロパブが増えてきました。見栄えがよく、凝っているけど量が少ない類の料理です。 これまで何軒かそんなお店で食べたのですが、私にはどうも満足感が今一つなのです。 特にメイン料理に、これはおいしい、と言えるものに残念ながら出会ったことがありません。たまたまいいお店に当たらないのかもしれませんが。 休暇や巡礼の旅で行った南ヨーロッパの国の、小さな町や村でたまたま入った、地元の人向けの普通のレストランで出会う料理の方がおいしい、というのが私の印象です。春先に行ったチェコのレストランも概ね納得の味でした。 イギリス人は普通のパブ料理(フィッシュ&チップス、パイ、日曜日の肉のローストなど)には気軽に出かけます。どこの店もメニューの内容は一年中同じようなものですが、量もたっぷり、料金も手頃なので、食事にあまり冒険をしない一般のイギリス人にとって安心していけるのでしょう。 私が友人と行った一段上(?)のレストランは、古い館を改造した洗練されたインテリアだったり、広いガーデンがあったり、周囲の環境は素晴らしいのですが、運ばれてくる料理の味の工夫が足りないように思えます。先日行ったお店では、今流行りのヴィーガン向け(ベジタリアンよりももっと厳しく、肉はもちろん、乳製品、卵も食べない人達)のハンバーガーに二千円近い値段がついていました。 それでも、こうしたレストランが成り立っているということは、出される料理と料金に疑問を持たずに通う人達がいるということです。

イギリス人の食事がまずい、との評判は、最近は大分改善されてきているとは言いますが、手頃な値段でおいしい料理を出す店が少ないのは事実です。 高級感が漂うレストランの食事は、ホテルのアフタヌーンティの雰囲気を重視するという点で似ているような気がするのですが、私の偏見でしょうか。 イギリス人の生活の中で、食よりも住のほうの比重が高いのは、昔も今も変わっていないと思えるのです。