BLOG

Enjoy a day out in the English Countryside

庭の野鳥

庭の野鳥

2021年7月4日

表紙の写真はウエールズのブレコンビーコン国立公園にあるブラックマウンテンの稜線です。6月、二泊三日でキャンプ場でのテント泊です。チェルトナムを離れたのは一年二か月ぶりでした。

****

7月に入りました。私たちの生活は毎日静かに過ぎていきます。 まさかコロナの影響で二年越しでB&Bを休業することになるとは想像もしませんでしたが、現実です。規制もほとんど解除になり、やっと生活が平常に近いものになってきたのに、今度はインド型変異種が拡がり、このところ毎日2万人以上の感染者が出ています。幸い、ワクチン普及のおかげで死亡数は20人以下に収まっていますが、一体いつになったらコロナから解放されるのか、と誰もが思っているのではないでしょうか。

オスのブラックバードです。ヒナへの餌やりはメスに任せることが多く、庭の水入れで水浴びしたり、塀の上で歌ったり、とのんきなお父さんドリです。もうすっかり私たちの存在にも慣れて、近づいても平気です、

6月の後半からイギリスは4年に一度開催されるサッカーのヨーロッパ大会で賑わっています。29日にはイングランドとドイツの試合があり、この類の試合では1966年以来ずっと負けていたイングランドがなんと2-0で勝ったのです。ニュースで試合の結果に喜ぶイギリス人(正確にはイングランド人ですが)の様子が何回も繰り返し映されていました。次の試合が準々決勝なのでそれほど大げさに取り上げることもないと思うのですが、宿敵(?)ドイツに勝ったことがよほど嬉しかったようです。去年からほとんどのスポーツが禁止状態の生活が続いたので、サッカーフアンの人たちにとっては、今までの鬱積感を存分に発散できた試合の結果だったのでしょう。はしゃぎすぎとも見えたテレビの中のイギリス人に、たかがスポーツとは言えなくなります。決勝まで行けなくても、今回は「でもドイツには勝った」という結果で満足する大会であることは間違いないと思われます。原稿を打っている間に準決勝がローマで行われ、4-0でイングランドがウクライナに勝ちました。コロナ隔離のせいでローマに行けないサポーター達は自宅やパブに集まっての観戦でした。

茂みの中のヒナです。二羽見えますが、細長い白っぽいのがくちばし、わかりにくいですが、その横にある丸く黒いのが目です。親鳥に餌をやっている間にこっそりと撮りました。
ブラックバードのメスです。餌をやるとせっせと巣に運びます。

私たちの生活の中にも小さな「事件」がありました。我が家の庭に野鳥が二組も巣を作ったのです。一つはブラックバード(クロウタドリ)。通りに面した壁に沿ってローガンベリーが植わっているのですが、その茂みの中に巣を発見しました。先週、赤く熟してきた実を摘み始めたのですが、塀の真ん中くらいに行ったところで、巣でヒナを温めていたメスのブラックバードとばっちり目が合ってしまったのです。びっくりしてあわててそこを離れましたが、まさかこんな場所に巣を作るとは思いませんでした。もう一つはヘッジスパローというスズメです。日本のスズメより小さくシャイで人間に近づくことはありません。庭に面した部屋の入口横の密集した灌木の中に、どうも巣を作ったようだとのジョンの報告です。今まで庭に野鳥が巣を作ったことがなかったのですが、最近になってジョンが庭にやって来る鳥にせっせと餌をあげているので、そのたまものでしょうか。春先にシジュウカラ用の巣箱を作り、庭の奥の壁にかけたのですが、まったく使ってくれずがっかりしていたところでした。今は張り切って、庭にマグパイ(カラスの仲間で小さな鳥の卵やヒナを襲います)を見かけると、出ていって追い払います。こんなジョンの努力(?)に報いて二組ともヒナが無事に巣立ちしてほしいものです。

ジョンが作ったシジュウカラ用の巣箱。丸い入口は鳥の大きさによってサイズを変えるそうです。巣箱があまりにもオープンな場所なので敬遠されたのかもしれません。

野鳥といっても様々で、歓迎できない鳥もいます。その筆頭がウッドピジョン(森バト)。普通の鳩の二倍近く大きく、庭に餌をまいたままにするとアッという間に来て食べてしまいます。名前の通り、元々は野原や林に生息する鳥で、私たちが引っ越してきた頃はあまり見かけなかったのですが、徐々に増え始め、最近は2羽も3羽も同時に庭にいるのを見るようになりました。庭に植えたレタスの若い葉っぱ、ルッコラは好物のようで、ネットをかけずには収穫できなくなりました。借りている畑でもウッドピジョンの被害が多くなり、植え付けた野菜に網をかける人が増えました。空気銃で脅かして追い払う人もいるそうです。この鳥には天敵がいないので、数が増え、餌のある市街地に移ってきたようですが、まったくかわい気のない野鳥です。

もう一つの歓迎されない鳥がカモメです。イギリスのカラスは日本のようにゴミを漁る大きな種類のものはいないのですが、似たような行動をするのがカモメです。隣町のグロスターが広い川の入り江に近いせいか、その周辺からチェルトナムにもやってきて住み着いたとのこと。イギリスは住宅用のゴミ入れはフタがついていて散らかされることはないのですが、通りや公園にあるごみ箱や住民が食べ残して置いていくものを餌にしているようです。早朝の大きな鳴き声がうるさく、子育て中には巣を守るために人を襲うこともあります。一度、ジョンがジョギングをしていた時に、かなりしつこくカモメに追いかけられ頭をつつかれた事もありました。市では人家の屋根に巣くったカモメの卵に油を塗って孵化しないようにする方法で数を減らしているとのことですが、どのくらい効果があるか疑問です。野生の生き物を大事にすることではイギリス人は世界一と私は思っていますが、そのイギリス人でも市街地に住むカモメとウッドピジョンは好きになれないようです。

以下3枚の写真は先週にコッツウォルドに歩きに行った時のものです。

 

コールドアストンの村。庭ではなく、通りに面した塀にバラを這わせる親切さ。道りを行く人のためのバラです。
麦畑です。今年は適度に雨が降り、天気のいい時期もあり、畑の麦がとても元気でした。
リンシード(亜麻仁)の花畑です。
野原のケシの花。風に揺れてすこしボケ気味になってしまいました。