戦没者慰霊日に感じたこと

20 November 2012


nov 12 101.JPG イギリスでは毎年11月二週目の日曜日は戦没者慰霊の日(Remembrance Day)と定められています。この国のどこの町にも慰霊碑がありますが、第一次世界大戦の後に建てられたものだそうです。この戦争で亡くなった兵士の数は第二次大戦(アジアを含めて)を上回り、主な戦場となったフランスの荒れた野原には戦後ポピーの花が一面に咲いたそうで、それ以来、ポピーの花が慰霊のシンボルになりました。リメンブランスデイの何週間か前から街頭で募金が始まり、寄付をすると小さなポピーをくれます。この時期、このポピーを胸につけた人を多く見かけますが、寄付金は元兵士のために使われるそうです。日本にも戦没者慰霊碑を時たまみかけますが、決定的な違いは、日本は第二次大戦で慰霊碑は過去のものになりましたが、イギリスでは大戦後もほとんど切れ目なく、直接、間接的に様々な戦争、紛争(テロも含む)にかかわってきたので、戦争は現実的なものです。フォークランド、IRA、イラク、そして現在はアフガニスタンが戦場です。それ以外にも、英連邦内の私達が聞いたこともないようなアフリカの小さな国の内戦などにも関与していたそうで、戦没者慰霊への取り組みも方も随分と違うように見かけられます。

nov 12 098.JPGリメンブランスデイの当日はイギリスのどこの町でも慰霊碑に関係者が集まり、ポピーの花輪をささげます。ロンドンではエリザベス女王を始め、政府各党の党首、閣僚も出席して大々的に行われ、その様子はテレビでも実況中継されます。午前11時に2分間の黙祷の後、様々な隊の元へ兵士のパレードが続きますが、みんな、誇らしげに行進しているのがとても印象的でした。どんな戦争でも政府が決めたらそれに従って戦地に行くのは、直接、間接的に自分の国を守る、という一貫した意識があり、国も国民も戦場で亡くなった兵士、負傷兵には敬意を表します。現在もアフガニスタンで新たに戦死者が出るとと写真と共にニュースにで報道されますが、その度に、こんな若い人が亡くなるなんて、と胸が痛みます。徴兵制度は随分前に廃止になっているので、職業として軍隊に入隊するので、実際に戦場に送られるのを承知の承知の上での選択なのでしょうが。。。
今年はオリンピックの後にパラリンピックがロンドンで開催されました。イギリスは中国についで二番目にメダルの数が多かったのですが、選手の中には元負傷兵がかなり混じって活躍していたようです。戦地で負傷して帰国、治療後リハビリに励み、それがパラリンピックでの活躍に繋がったのでしょう。そんなトレーニングに励む若い元兵士の姿がテレビでも紹介されていました。

nov 12 100.JPG 街頭でポピーの募金をしているのを見ても、私は外国人だから、と距離をおいて眺めていたのですが、普段は世の中をちょっと斜めに見ている風のシニカルなジョンに、私は外国人だから関係ない、と言ったら、この国を守っている兵士達のためなんだから、外国人でも、この国に住んでいたら同じように敬意をしめすべきだ、と真剣な顔で言われてしまいました。日本の戦後の民主主義教育の中で育った私は、漠然とではありますが、戦争は絶対反対、とずっと思ってきたのですが、イギリスに住み、常に世界情勢の最前線に立ち、現実に戦争、紛争にかかわってきているこの国を知るようになって、こういう国のあり方もあるのだ、と感じた次第です。左の写真にある慰霊碑の横に並んでいる小さな十字架は戦死者の出た隊の名前がきざんであります。


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