アメリカの旅

10 December 2017


20171024_113549.jpg9月15日にB&Bを閉めて、20日から約二ヶ月間アメリカを旅行してきました。10年前、一年間休業した時にも5ヶ月近くアメリカ大陸を旅行した際、カナダからアメリカに入り、西部を中心に車で周ったのですが、その時にイエローストーン国立公園(National Park)の入口まで行って、雪道もあるので普通のタイヤでは入れないと断られ、くやしい思いをし、機会があったらもう一度、と話していました。また、北カリフォルニアの海岸沿いにあるレッドウッドNPにも寄ったのですが、時間がなく1時間ほどしかいられなかったので、やはり心残りがあって、今回の旅行もこの二ヶ所の国立公園の再訪が目的でした。それが、どうせ行くならと計画が徐々に広がり、2ヶ月という長い旅行になりました。29年前にアパラチアントレイルを歩いてから、すっかりアメリカの自然に魅せられ、今回の旅行で4回目になります。ニューヨークもサンフランシスコも一度見れば十分、均一化した食事、文化面でも面白みのないアメリカですが、自然の雄大さだけは格別で、国立、州立公園はどこもきちんと整備されていて、気持ちよく見て周れるのも魅力です。
20170926_134259.jpg夏の間はお客様のお世話で忙しく、とても旅行には気が回らず、時々意見をはさむ以外はすべてジョンが計画、準備していたので、二ヶ月間にレンタカーを3台乗り換えることも出発間際まであやふやに聞いていただけでした。アメリカはキャンピングカーが普及していて、いつも、一度はあれで旅してみたいね、と話していました。今回はそれを実現したのですが、レンタル料が高いので二週間のみです。ロスアンジェルス(LA)到着後、まずは寒くなる前にとイエローストーンへ向かいました。普通車で8日間でモンタナ州まで往復してLAに戻り、小さめのキャンピングカーに借り換えて、カリフォルニア北部のレッドウッドを目指して、この旅は比較的のんびりとしたものでした。その後、再びLAに戻り、バンタイプの大き目の車を借り換えて、残りの5週間でユタ、アリゾナ州の国立公園を訪れてから東側まで往復、というまさに長い、長い車での旅でした。

イエローストーン国立公園;

20170924_152400.jpgイエローストーンはアメリカで最初に国立公園として指定されて、カナダ国境に接しているモンタナ州にあり、独特な地形で知られています。大きな火山帯が通っていて、定期的に熱湯を吹き上げるガイザーで有名です。公園の中央部は大きな盆地になっていて、冬はマイナス40度にも下がる野生動物にとっては過酷な環境です。20170925_161512.jpgLAから約1600キロ、8日間の往復はかなり強行でしたが、頑張って一日平均500km以上を走って往復してきました。おもしろそうなルートを、とジョンが選んだのはネバダ州の砂漠を突っ切るコース。カリフォルニアからネバダの砂漠を、正確には草が生えている半砂漠ですが、ごくたまに地元の車にすれ違うだけの真っ直ぐな道をひたすら北上しました。砂漠が終ったと思ったところがアイダホ州境でした。アイダホに入った途端に地形も変わり耕作地が多くなり、ポテト畑かなー、と言いながら外を眺めていました。実際にポテト博物館があるのです。アイダホに入った辺りから序々に曇り空に変わり、標高が上がるほどに気温が下降、ついには雪が降り始めました。予定していたキャンプ場は雪で埋まり、少し先の小さな町のモーテルに泊まるはめになりました。翌日、イエローストーンNP到着後、ビジターセンターで聞いたら、部分的には閉鎖している地域もあるが、入園は大丈夫とのこと。胸をなでおろした次第です。20170925_165351.jpg翌朝、公園入り口にはもう車が列を作っていました。標高が2千メートル以上あるので、9月の雪もめずらしくないそうですが、まだまだ観光シーズンでした。夏に比べれば人は少ないとはいえ、公園内はかなり賑わっていました。それにしても中国人の多いこと。団体客に加え、個人客も増えて、泊まっていた町のモーテル、スーパーでも中国人の姿をみかけました。二日半、雪上ハイキングをしながら、バッファロー、鹿を眺め、日本の温泉地で見かける源泉を大きくしたようなガイザーを見て回りました。何年か前にBBCの番組でイエローストーンの四季を追う4回シリーズが観ていたせいもあり、期待感が高まっていたのですが、観光客に解放しているのは公園のごく一部で、もちろん、公園内にいるはずの熊も狼も現れてはくれず、観光客だけが目立つ公園にはちょっとガッカリでし。それでも、雪で埋まったトレイル内は静かで、頂上からの景色、凍りついたような湖など、静かなイエローストーンも味わえたのは幸いでした。帰りは別な出口から、隣接するティートンNPを通ってきましたが、草原にそそり立つ山並みはとても形がきれいで印象的でした。ここは昔の西部劇「シェーン」のロケ地でもありました。

キャンピングカー(アメリカでは Recrational Vehicle ー 略してRV)の旅;

20171002_081003(1).jpg最近日本でもキャンピングカーの人気が高まってきたようですが、アメリカのRVは規模が違います。値段も高く、大きいものは小さな家と同じくらいの価格なので、庶民にはなかなか手が届かず、また、使用しない時の駐車スペースも必要なので、田舎に住む、ある程度の富裕層の人が引退後に買う場合が多いそうです。寒い地方に住む年金生活者が冬になるとRVで南に移動して、暖かくなるまで過ごすケースです。そんな人たちには「Snow Bird」と呼び名もあります。11月に南部の州を通ってLAに戻ったのですが、あちこちで見かけたRVパークはどこも賑わっていました。何ヶ月ものRV暮らしになるので、自宅の快適さをいかにRVで再現するかでサイズはどんどん大きくなり、大型バス並みです。 しかも、キャンプ場につくと、両サイドが前後二ヶ所、幅1メートル位広げられれる仕様のRVもあります。中には、引退した時に自宅を売ってRVを買って生活している人もいるとのこと。これはどうも固定資産税の回避が理由のようですが。体の大きなアメリカ人用に、車内はドアで仕切られた寝室、居間、台所、トイレ、シャワーと、私達、島国の住民には想像を超える規模です。

海外からの観光客が借りるRVはそれほど大きなサイズのものはありません。私達がレンタルした小型のRVは、大きな目のトラック(PICK-UP)の上に居住用のスペースを作ったものを載せた形です。トラックの座席の上が寝るスペ-スで2人横になるには十分ですが、トイレ、シャワー室が小さく、トイレは夜中用、シャワーは一度も使用しませんでした。こんな小型のRVでも二週間で1500ポンド(約23万円)と高いので、バスサイズにはとても手が届きません。高額なレンタル料にもかかわらず、外国人旅行者の間でもRVでのアメリカ観光は人気があり、旅行中、派手なレンタルRVをよく見かけました。キャンプ場はもちろん有料で、一泊安いところで20ドル、高級なRVパークとなると80ドル以上のところもあります。
20170929_115936.jpg一般のキャンプ場は山とか湖のある州立公園に設けられているところが多いのですが、RVの増える利用者に対応して、以前と比べて電源、水道線が各キャンプサイトに設置されているサイトが随分と増えました。リゾート地のキャンプ場は休暇で利用する人が主なので、お年寄りだけではなく若い家族、ペット連れも目立ちました。旅行中、ネヴァダ州の街中に泊まった際、隣のRVにネコに餌をやっている70代の女性がいたので、話しかけると、キャンプ場に来てから一週間になるとのこと。オレゴン州に家があり長年住んでいたのですが、山火事が市内まで広がり、自宅が全焼してしまったので、ペットも受け入れるモーテルで何週間か過ごした後、ネヴァダに住む息子を頼って、息子さんが所有するRVで過ごし始めたそうです。ペットと一緒にいられるだけでも幸せかも、と、その女性はちょっとさびしそうに笑っていましたが、紐でつながれ、暑さを避けてRVの下にもぐりこんでいるネコ達も哀れでした。

20171004_131629(1).jpg日本ではあまり知られていませんが、レッドウッド国立&州立公園は世界遺産にも登録されている、カリフォルニア北部の海岸沿いからオレゴン州の州境まで続く原始林です。太平洋からの霧の多い湿気のある気候がセコイアの一類であるレッドウッドを世界一背の高い木に育て、かっては海岸沿いだけではなく州北部全般にレッドウッドの森が拡がっていたそうです。私達はLAからRVで4日かけて公園に辿りつきました。園内のキャンプ場はレッドウッドの森の中にあり、そこに二泊して、原始林を通るトレイルを歩いたのですが、見上げても木のてっぺんが見えないほど背の高いレッドウッドの森は、人の姿もなく、静まりかえっていて神秘的でさえありました。イエローストーンに比べて人の数も少ない静かな深い森に心を残しながら公園を後にしました。それからは、太平洋を見渡す海岸沿いのキャンプ場など、序々に南下しながらLAに戻ってきました。あこがれだったRVでの旅でしたが、毎日のように移動する私達がしたような旅にはRVはどうも向いていないようです。小型とはいえ、住居スペースを載せているので小回りがきかず、後方も見えないので運転しにくい、とはジョンの言葉です。アメリカ人はRVの後ろに乗用車を接続して走っています。一ヶ所に落ち着くと、近辺は持参の普通車で周る、ということです。RVの運転は二週間で十分、とのジョンの感想でした。LA市内でRVをレンタルした後、高速道路で北に向かったのですが、運悪くラッシュアワーの時間帯にぶつかり、片側だけで6車線もある高速道路はびっしりと車で埋まり、レーンを間違えないように道路表示をにらみながらの2時間の緊張感は忘れられないものです。それでも後半の旅行中、寒い日にはRVの内部で暖をとれ、料理ができるありがたさ。アメリカ人のように、時間をたっぷりと使ってRVで旅ができたら、と思うのはやっぱり夢でしょうか。



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